ジェーンに夕飯に呼ばれた。
「・・・・寿司!?ジェーンが?」
あたしとアレックスは、無言でお互いの顔を見た。
二人とも、「断っても角のたたない言い訳はないか」と考えているのがわかった。
ジェーンのお料理の腕は・・・>>こんなかんじ>>
しかし、
いいわけを思いつくよりも、
興味と、和食への押さえきれない欲望がまさったため、
あたしたちはその招待を受けた。
(c) blue horse|写真素材 PIXTA |
「魚が全員あたしの顔を見てるんだよー。怖いー!頭が取れない〜!」
と電話があったせいで、招待客のあたしは、突如、主催者側にまわってしまった。
つまり、寿司をつくる側だ。
ジェーンのうちに着くと、ジェーンは、寿司用だという小イワシ(体長5センチ)と格闘していた。 イワシでもって、どんな寿司をつくるつもりなのだろうか・・・
聞くとジェーンは
「フライにするんだよ!!」という。
イワシのフライ・・・の寿司?
わけがわからないあたしに、ジェーンは寿司のシャリを、冷蔵庫から出して見せた。
「あら〜〜。冷えすぎてシャーベットみたくなっちゃったwww」
「すし酢はどうしたの!買いに行こうって言ったのに、作っちゃったの?」
「ワインビネガーがあったから、それにしましたwww」
しかも赤ワインビネガーなので、米粒がはにかんだようなピンクに染まっている。
やはり、ジェーンを侮ってはならなかった。
ジェーンの買った寿司の材料は、以下。
お米。焼海苔。ねりワサビ。クリームチーズ。マヨネーズ。
白ごま。醤油。卵。ニンジン。キュウリ。アスパラガス。
小キュウリのピクルス。レタス。スモークサーモン。
かぼちゃの花。小イワシ。エビ。きわめつけに、ウサギのレバーのパテ。
ウサギのレバーのパテ、と聞いたところで、暗雲たちこめるココロに一条の光がさした。
(これは・・・・和風フレンチだ!)
ジェーンは、ふんふんと鼻歌を歌いながら、
折ったスパゲッティーでエビの背わたを取っている。爪楊枝がないのだ。
「ねえねえ、これってもしかして、パリで行ってた料理教室のレシピなの?」
「・・・・そうだよwww 前に1回つくったんだ。」
そうか。それなら、意外とまともな食べ物かもしれない。フランス人の味覚がジェーンに伝わっていることを切に願った。
そして、できあがった寿司は、これだ。
小皿がないのでお茶碗に醤油をそそいだ・・・ |
エビの握り。スモークサーモンの握り(おにぎり?)。
アスパラ、キュウリ、ニンジン、卵焼き、ピクルスの巻き寿司。
シャリにはうっすらとフレンチクリームチーズが塗られている。
ウサギのレバーのパテはキュウリといっしょに海苔で巻かれ、それを寿司飯でさらに巻いて白ごまをまぶした。
白ワインととてもよく合う、革新的、創造的、目からウロコのフレンチ風寿司だった。とても、おいしかった。
お皿上部、裏巻き寿司がウサギのパテのお寿司(美味) |
さきほどのイワシとかぼちゃの花、エビの残りは衣をつけて天ぷらにして、巻き寿司に入りきらなかった野菜といっしょに、手巻きになった。
こちらには、すし飯のかわりにレタスを巻いた。
マヨネーズも好みでつけて食べるので、海苔巻きサラダのようなものだ。
揚げたての天ぷらと海苔がマッチして衝撃のおいしさだった。
かぼちゃの花のフライはイタリア人の大好物だけに、これは恥も外聞もなく、取り合いだった。
「すし飯が嫌」という欧米人が多いなか、誰でも食べられる素晴らしい寿司風メニューだと、つくづく感心した。さすが、フレンチのレシピだ!
これは赤ワインでいただくのが正解、ということで赤ワインも開けた。
みんなも大絶賛。
「今度、またやろうよ、同じメニューで。」
評判のよさに気をよくしたジェーンが言ったとき、
「いいよ!」
あたしはつい言ってしまった。
(しまった。また手伝うはめになるかも)という予感は、ワインと一緒にごくりと飲み込んだ。
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酢メシじゃない寿司、、それって寿司なの?
返信削除という気持ちを、Enterキーと共にパチリと打ち込んだ。
w
なんかコメディ。笑
海苔を巻いてあると、何となく寿司っぽく見えますね。
返信削除確かに握りというよりもお握り?
新たなフレンチ寿司として革命が起こるかも?
たげしさん
返信削除>・・・Enterキーと共にパチリと打ち込んだ
おおおヽ(*'0'*)ツ 美しいです(パチパチパチ☆)
お笑いを地でいくジェーンは、一挙手一投足がネタになるので、目が離せませんwww
桃源児さん
返信削除>おにぎり
魚がこわいといってラップで握っていました。フランスでもそう教えられたそうです(!!!)
>海苔
おっしゃるとおり、ノリとライスと魚があればスシなんですよw
いままでどれだけ「怪しい」寿司を食べたことか・・・
その中でこのフレンチ寿司は、正直、革命的においしかったです。
すごくおいしそうですね!思いもつかない寿司の材料で、かなり勉強になりました。見た目もすごくきれいに巻いてあって、とてもきれい!
返信削除スパゲッティで楊枝代わりですか。。それもかなり変わっていますが、とにかく型にはまらないところにセンスの良さを感じました。
美味しいんだ~(わっはっはっ)
返信削除しゃけにマヨネーズが来たら、
次回は水にさらしたオニオンスライスも使ってみて☆
怪しい寿司パーティ、お邪魔してみたいなっ(笑)
画像のカタクチイワシだとしたら、
返信削除かなり贅沢な寿司です
新鮮なカタクチイワシの刺身は絶品で
私は1カン5,000円のトロよりも
食指が動きますが・・・^^
Rumikoさん
返信削除>思いもつかない材料
ですよね!パリのお料理教室のレシピすごいな(感心)
海苔がダメ、すし飯の甘いのがだめ、っていう人向きに、あたしもいつか挑戦しますw
Rumikoさんも、お試しあれ!
型にはまらない・・・(笑)ジェーンはただ単に、ヘンなんですよ。ほんとうですwww
obaba-53.7 さん
返信削除オニオン!ほんとですね!これはもっとおいしそう。
あやしい寿司パーティー、いつかご一緒に開きましょうwww
寿司ではなく、寿司風ライスサラダと思っていただくと、
美味しく召し上がれるはずです(笑)
FREUDE さん
返信削除イワシのお寿司があったとは!
調べてみたら、すごく美味しそうな写真がでてきました。
うわーん、食べたい食べたいw
魚を見ても「ふーん、魚」と思うあたしには
「カタクチイワシ」とすぐ見抜くFREUDEさんに
「参りました・・・」