1/28/2011

Sushiはいかが?

「お寿司つくるから、アレックスとおいで」
ジェーンに夕飯に呼ばれた。

「・・・・寿司!?ジェーンが?」
あたしとアレックスは、無言でお互いの顔を見た。
二人とも、「断っても角のたたない言い訳はないか」と考えているのがわかった。

ジェーンのお料理の腕は・・・>>こんなかんじ>>

しかし、
いいわけを思いつくよりも、
興味と、和食への押さえきれない欲望がまさったため、
あたしたちはその招待を受けた。

写真素材 PIXTA
(c) blue horse写真素材 PIXTA
ころが当日の昼ごろ
「魚が全員あたしの顔を見てるんだよー。怖いー!頭が取れない〜!」

と電話があったせいで、招待客のあたしは、突如、主催者側にまわってしまった。
つまり、寿司をつくる側だ。

ェーンのうちに着くと、ジェーンは、寿司用だという小イワシ(体長5センチ)と格闘していた。 イワシでもって、どんな寿司をつくるつもりなのだろうか・・・

聞くとジェーンは
「フライにするんだよ!!」という。
イワシのフライ・・・の寿司?

わけがわからないあたしに、ジェーンは寿司のシャリを、冷蔵庫から出して見せた。
 「あら〜〜。冷えすぎてシャーベットみたくなっちゃったwww」

「すし酢はどうしたの!買いに行こうって言ったのに、作っちゃったの?」
「ワインビネガーがあったから、それにしましたwww」
しかも赤ワインビネガーなので、米粒がはにかんだようなピンクに染まっている。

はり、ジェーンを侮ってはならなかった。
ジェーンの買った寿司の材料は、以下。

お米。焼海苔。ねりワサビ。クリームチーズ。マヨネーズ。
白ごま。醤油。卵。ニンジン。キュウリ。アスパラガス。
小キュウリのピクルス。レタス。スモークサーモン。
かぼちゃの花小イワシ。エビ。きわめつけに、ウサギのレバーのパテ

ウサギのレバーのパテ、と聞いたところで、暗雲たちこめるココロに一条の光がさした。
(これは・・・・和風フレンチだ!)

ジェーンは、ふんふんと鼻歌を歌いながら、
折ったスパゲッティーでエビの背わたを取っている。爪楊枝がないのだ。

「ねえねえ、これってもしかして、パリで行ってた料理教室のレシピなの?」
「・・・・そうだよwww 前に1回つくったんだ。」

そうか。それなら、意外とまともな食べ物かもしれない。フランス人の味覚がジェーンに伝わっていることを切に願った。

して、できあがった寿司は、これだ。
小皿がないのでお茶碗に醤油をそそいだ・・・

エビの握り。スモークサーモンの握り(おにぎり?)。
アスパラ、キュウリ、ニンジン、卵焼き、ピクルスの巻き寿司。
シャリにはうっすらとフレンチクリームチーズが塗られている。

ウサギのレバーのパテはキュウリといっしょに海苔で巻かれ、それを寿司飯でさらに巻いて白ごまをまぶした。

白ワインととてもよく合う、革新的、創造的、目からウロコのフレンチ風寿司だった。とても、おいしかった。

お皿上部、裏巻き寿司がウサギのパテのお寿司(美味)

さきほどのイワシとかぼちゃの花、エビの残りは衣をつけて天ぷらにして、巻き寿司に入りきらなかった野菜といっしょに、手巻きになった。
こちらには、すし飯のかわりにレタスを巻いた。
マヨネーズも好みでつけて食べるので、海苔巻きサラダのようなものだ。

揚げたての天ぷらと海苔がマッチして衝撃のおいしさだった。
かぼちゃの花のフライはイタリア人の大好物だけに、これは恥も外聞もなく、取り合いだった。

「すし飯が嫌」という欧米人が多いなか、誰でも食べられる素晴らしい寿司風メニューだと、つくづく感心した。さすが、フレンチのレシピだ!
これは赤ワインでいただくのが正解、ということで赤ワインも開けた。

みんなも大絶賛。

「今度、またやろうよ、同じメニューで。」
評判のよさに気をよくしたジェーンが言ったとき、
「いいよ!」
あたしはつい言ってしまった。
(しまった。また手伝うはめになるかも)という予感は、ワインと一緒にごくりと飲み込んだ。

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10 件のコメント:

  1. 酢メシじゃない寿司、、それって寿司なの?
    という気持ちを、Enterキーと共にパチリと打ち込んだ。
    w

    なんかコメディ。笑

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  2. 海苔を巻いてあると、何となく寿司っぽく見えますね。
    確かに握りというよりもお握り?
    新たなフレンチ寿司として革命が起こるかも?

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  3. たげしさん

    >・・・Enterキーと共にパチリと打ち込んだ

    おおおヽ(*'0'*)ツ  美しいです(パチパチパチ☆)


    お笑いを地でいくジェーンは、一挙手一投足がネタになるので、目が離せませんwww

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  4. 桃源児さん

    >おにぎり
    魚がこわいといってラップで握っていました。フランスでもそう教えられたそうです(!!!)

    >海苔
    おっしゃるとおり、ノリとライスと魚があればスシなんですよw

    いままでどれだけ「怪しい」寿司を食べたことか・・・
    その中でこのフレンチ寿司は、正直、革命的においしかったです。

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  5. すごくおいしそうですね!思いもつかない寿司の材料で、かなり勉強になりました。見た目もすごくきれいに巻いてあって、とてもきれい!
    スパゲッティで楊枝代わりですか。。それもかなり変わっていますが、とにかく型にはまらないところにセンスの良さを感じました。

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  6. 美味しいんだ~(わっはっはっ)

    しゃけにマヨネーズが来たら、
    次回は水にさらしたオニオンスライスも使ってみて☆

    怪しい寿司パーティ、お邪魔してみたいなっ(笑)

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  7. 画像のカタクチイワシだとしたら、
    かなり贅沢な寿司です

    新鮮なカタクチイワシの刺身は絶品で
    私は1カン5,000円のトロよりも
    食指が動きますが・・・^^

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  8. Rumikoさん

    >思いもつかない材料
    ですよね!パリのお料理教室のレシピすごいな(感心)

    海苔がダメ、すし飯の甘いのがだめ、っていう人向きに、あたしもいつか挑戦しますw
    Rumikoさんも、お試しあれ!


    型にはまらない・・・(笑)ジェーンはただ単に、ヘンなんですよ。ほんとうですwww

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  9. obaba-53.7 さん

    オニオン!ほんとですね!これはもっとおいしそう。

    あやしい寿司パーティー、いつかご一緒に開きましょうwww

    寿司ではなく、寿司風ライスサラダと思っていただくと、
    美味しく召し上がれるはずです(笑)

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  10. FREUDE さん

    イワシのお寿司があったとは!
    調べてみたら、すごく美味しそうな写真がでてきました。
    うわーん、食べたい食べたいw

    魚を見ても「ふーん、魚」と思うあたしには
    「カタクチイワシ」とすぐ見抜くFREUDEさんに
    「参りました・・・」

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