10/04/2010

デザイナーブランドで芸術品。手作りジェラートのニューウェーブ


モスカートやビルベワイン、
さらにビールか、はたまたチーズ。

これ、なんと革新的なジェラートの素材なんです。
はてさて、一体このうち、どれがおいしい?どこで見つかる?
DOVEのランキングとおすすめ情報より。
RivaRenoのクリーム、チョコ、コーヒー






写真、DOVE2010年7月号、Squadrilli & Moncalvi 

 おすすめジェラテリア 2010年DOVE |  2009年ガンベロロッソ 




庶民的なジェラートの擁護者たちがいる一方、オリジナルを求めるニューウェーブがある。“設計された”素材を使い、大胆な革新を加えて、そこにマーケティングをひとつまみ。とはいえ、もちろん真剣勝負の商売だ。


コッランド・サネッリ、彼の名字を冠したサルソマッジョーレ(Salsomaggiore)にある店舗「サネッリ」のオーナー、はラッテリアを家業として生まれた。上質の定番ジェラートを提供するかたわら、実験的に液体窒素を用いた創作を初めて開始した。続いて、畑の野菜、地元名産の蜂蜜、パルメザンチーズ、しょうが、ゴルゴンゾーラ味のジェラートを完成させた。
サフランとごま味、オセロ(チョコ、ザバイオーネ、バロッツィ・ケーキ[1]入り)、ニューヨーク・ニューヨーク(メープルシロップとぺカンナッツ[2])、サン・ルカ(ホワイトチョコとお米のポン菓子)などのように、ここでは具体的な方法でジェラートイノベーションが行われている。さらに、顧客用の2台のインターネットのできるパソコンで愛好家たちを完全に満足させている。




「リバ・レノ」と聞くと、ボローニャ地方の一角を思わせるが、実はこの店はミラノにある。クリエイティブかつクラシックなジェラテリアだ。ニコラとピング・グレーコがViale Col di Lana 店ともうひとつ、こちらは小さな店舗のVia Mercato の経営者だ。
ここでは、コーヒー、ココナッツ、チョコレート、クリーム、イチゴ、ピーチのすばらしいジェラートを作り出している。すべてが斬新で、すべてに情熱が注がれ、添加物なしのジェラートだ。


Alberto Marchtti の「アフォガート」
アルベルト・マルケッティが“アトリエ”を構えたのは、トリノ。「ジェラートは高品質です。 ワインやその他の食品同様、作り手を知ることが重要なんです」彼はこう主張する。店も独自のデザインで、一枚のスクリーンのむこうに日に何度も制作が行わ れるジェラート工房を見ることができる。

 
ここにあるのはマニュアル通りのクラシックのほか、 出される直前に熱々のオリジナルソースがかけられてくる四角のカップに入った「アフォガート・ダ・パッセッジョ」、ヘーゼルナッツとチョコレートをキャン ディー風にかためた「クロッカンテ」や「ファリーナ・ボーナ」カントン・ティチーノ(スイス南部)産の高級トウモロコシ粉を使用したものなど、後者の2つは食べるとポップコーンやポレンタを思わせる。食感の記憶を利用した遊びだ。


[1] バロッツィ・ケーキ モデナ郊外・ヴィニョーラという町のチョコレートケーキ。ゴッリーニという店のものが有名。




 ソンマリーバ・デル・ボスコ(クーネオ市)では、トニーノ・ストゥルミアがピエモンテ州の偉大なるワイン製造の伝統に敬意を払ってジェラートを制作している。「モスカートワイン」、「ビルベワイン[3]」 がそうだ。加えて、クレーム・カラメル味やヒマラヤの赤塩、はちみつのジェラート等が最近のお気に入りだ。また、ペコリーノチーズ[4]と蜂蜜は彼の十八番だが、これはアブルッツォ人、ファブリツィオ・カンプローネ氏(ペスカーラ市の「カプリース」という店)の作品に感銘を受けて制作した。アイデアは奇抜だが、味はとびきりだ。

手をぬかない店内とパッケージデザインで抜きん出ているのは、フィレンツェ「カラピーナ」。当然、シモーネ・ボニーニのジェラートはいうに及ばない。ヴィン・サントワインクリーム、プラートビスケット付き、キューバリブレのシャーベット、また、定番のクリーム味や季節ものしか使わないフルーツジェラートも美味だ。

ローマでは、マリア・アニェーゼ・スパニュオロが「ファタモルガーナ」の顧客たちを一風変わった名前とスパイスの利いたジェラートで幻惑する。女神ローサ(黒米とバラのつぼみ)、パナチェア(アーモンドミルク、ミント、ショウガ)など。とびきりの手作りチャルデ(ワッフル状のウェハース)は子供たちの人気も制圧している。

こちらもロー、クラウディオ・トルチェの「イル・ジェラート」、今年ミラノにも進出した彼の店では(Piazza LagostraVia Trau’の角)、100種類もある新作でつねに意表をつき続ける。フィラデルフィアのクルミ入りを手始めに、ピーマンのクリーム、さらにカシューナッツとチェレスビール[5]味から、中国四川の花山椒にいたるまで。そして最近のトルチェは、スイート・アプリコットの種のようなドライフルーツの研究にも没頭している。
Il gelato のクリーム&チョコレート 



[3] ビルベ Birbet ピエモンテ州ロエロ産のブラケット種のブドウからつくる甘口赤ワイン
[4] ペコリーノ 羊の乳を原料とするイタリア産チーズ
[5] チェレスビール デンマークのビール



アントニオ・カフィエロの創作した新“グリーン”ジェラートの畑のチョイスは愉快だ。このソレントにある「ジェラテリア・プリマヴェーラ」のオーナーはアメリカ大統領夫人にちなんで「ミッシェルの畑」というジェラートにディスプレーの一角を捧げている。つまり、旬のフルーツをその時期だけ置くのと同様、にんじんからズッキーニにいたるまで、旬の野菜を追って行くというもの。

Corrado Asenza、 Caffe' Sicililiaのオーナー

ノートにある「カフェ・シチリア」では、コッラード・アッセンツァが、シチリア伝統の菓子「カッサータ」や「ペッツィ・ドゥーリ」のわきで、非常にユニークなメニューを提供している。
彼は言う。
「ジェラート職人というのは、どちらかと言えば、調香師に近いんです。薫りや材料の鮮度で仕事をするわけですから。」なるほど、甘みと塩味の独特の解釈をした、フルーツや野菜、ハーブ、エクストラバージン・オリーブオイルのジェラートはこうして生まれてきたのだ。お料理・・・失礼、ジェラート、は歴史や地域を物語る。夏の家庭料理の定番「アブソルート・サラダ(トマト、タマネギ、オリーブオイル、ペペロンチーノ)」のように。

Copyrights on the text are  resercved by Piccola and La repubblica del cielo, 2010.

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