4/22/2011

引越しと金魚

金魚のおかあさんの異変に気がついたのは、ちょうどアレックスに急な「イタリア帰還命令」が出た時のことでした。



これまでの「きんぎょ騒動」は、こちらのリストからご覧頂けます。 


木の水槽に泳ぐ親子金魚。子金魚が赤くなりました!


イギリス滞在2年が経過、そろそろ駐在期間も残り少なくなってきた、
と思っていた矢先に出た辞令。

「来月末日を以てイギリス駐在を終了し、8月1日からのイタリア勤務を命ずる」。

急に「来月」っていわれても・・・隣町に引越すわけでも、単身赴任ですらないのに、そんなの無理です!
という厳しい命令を常に出してくるアレックスの会社。
以前にも何度もこういうことがあったので、あたしたちはすっかり慣れてしまっています。(慣れざるを得なかった。悲。)
辞令の時点ですでに、残り2ヶ月を数日切っていました。

さあ、引越しとなると・・・
貸家の翌月末での解約。電気水道電話の解約手続き。引越しの荷造りと、不要品の処分。

考えることが山ほどあって、金魚の世話が手薄になっていたのでした。
ぷぷっ。この子は一部だけまだ黒くて、おちょぼ口w

ある日、金魚にエサをあげに外に出たら、金魚のおかあさんが水面で絶えずパクパクと口を開けていることに気がついたのです。
「水面にきた虫でも食べているのかな?」と、数日前も思っていたんだけど、なんだかその日はおかあさん金魚が痩せて見える。

「・・・しまった」痩せるということは、病気なのです。

0.5%の塩水を作り、治療用水槽におかあさん金魚を移し、上から横から観察してみて、またびっくり!
赤いはずのエラが白っぽい!

水質悪化に伴い、水中の雑菌が増えることで発症する「エラ病」にかかってしまっていたのです。これにかかると、呼吸が困難になるんです、だから水面でパクパクしていたんだ・・・。

金魚のおかあさんは、塩水の中でもさほど元気にはならず、底の方でグッタリしてしまっていました。

さて、この引越しに伴い、あたしたちが考えなければならなかったのは、金魚の行く先でした。つまり、イタリアに連れて帰るか、イギリスで誰かに譲るか。

あたしの本音はといえば、せっかく卵から育てた金魚たち、連れて行きたい気持ちが勝っていたのですが、引越し業者が動物は運べない、と連絡してきました。
イギリスからイタリアまで、1500km運転して帰るうちの車は、金魚がいなくても荷物でいっぱいなことは予想がつきました。

そのうえ、車内の隙間には、猫のモリーナを乗せなければならない。ここでさらに金魚を連れて帰るのは、困難が伴う。
もし、一時的にでも預かってくれる友人がいたら助かるなあ。そしたら、後日金魚を引き取りに帰ってくるのに。
こっちは睡蓮鉢。と子金魚たち

と、はかない希望を持っていたら、なんと、友人が一人「預かってあげるよ」と名乗り出てくれました。彼の名はエルメアくん。
パナマ出身、スペイン国籍も持っている、あたしたちの数少ない友人のひとり。

「いいよ〜。金魚なら出張中も大丈夫でしょ」
大丈夫だよ〜。一週間くらい食べなくても平気なんだ。
「一人で暮らしてるより、金魚でもいると楽しいから」
長年の彼女と別れちゃって、まだハートが癒えていないのです。

エルメアくんのお父様って、パナマの大臣だったのかな?すごい名家の王子様なのに気取らない人柄。

「ボクが預かったら、金魚が増えたいっていうだけ、増やしちゃうけど、大丈夫?」
・・・ううむ。それは・・。

「冗談冗談。心配しないでいいよ。いつでも取りに帰っといで。うちに泊まっていいからね。あと金魚の世話の仕方、詳しく教えて。」
うん、教えるね。今度また夕飯に行こうよ。

「インド料理の新しいお店があるんだ。ナンがおいしくてさ。そこにしよう」
ありがとう、エルメアくん。

そんなわけで、金魚たちの里親も決まり、引越しの日をめがけて、毎日がそれこそ飛ぶように過ぎて行ったのです。

おかあさん金魚が死んでしまったのは、それから僅か数日後のことでした。
おかあさん金魚の最後の写真



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こちらの↓↓ラベル↓↓「きんぎょ騒動」からも、今までの金魚のお話に飛べます。

13 件のコメント:

  1. あいこ22/4/11

    魚って、小さいけれどひとつの命ですよね・・・。
    私も、ミドリフグが死んだ時に、3日くらい(ちょうどお正月)水槽の前で毎日励ましていたのを思い出しました。。

    病院にも行けれないし、
    熱帯魚も、死んだらポイっとできるくらい小さい小さい体だけど。命なんですよねぇ。
    魚にも意思はあるし、魚生もあると思うし・・・。

    小さいからこそ、管理も難しいし病気になると
    すぐに悪化しちゃいますよね・・・。

    引越しするとき、魚類ってほんと大変ですよね!
    私も、熱帯魚を引越しする際に困りました~。
    当日の朝に、ビニールに酸素を入れて膨らまし、
    水槽の水を抜いて・・・とやることがイッパイで!
    時間との戦いでした。。
    その、お友達、心の優しい方ですね!
    そういうお友達のいるピッコラさんが一番心が優しいからなんだろうな~ ̄▽ ̄

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  2. あいこ23/4/11

    あれ?あれ?
    テキサスに引っ越すのですか?(左側を見て気づきました)

    テキサス・・・敵刺す・・・ギャァw|;゚ロ゚|w
    。。。なんてオヤジギャグ?は置いといて(ノ ̄ー ̄)ノどこでしたっけ?テキサス・アリゾナ・・・もしや、アメリカ?!

    イタリアから、アメリカですか???!
    国が違う?!(・'・;)

    県が違うだけでワヤワヤな私。
    いやぁ・・・ピッコラさん、素晴らしい!

    もちろん、共和国、続けてくださいね★
    ♥あおぞら共和国民あいこより♥

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  3. むかし、お祭りで金魚を貰ってきて
    しばらくは元気に泳ぎ回っていたのに、1ヶ月位で
    同じ症状が出て亡くなってしまいました。
    子供の時だったので原因が分からず悲しい思いを
    しましたが、そんな病気だったのですね…(悲)

    ちょっと前の「つぶやき」でアメリカに行くかも?
    っての、ずっと気にしてたのですが現実になっちゃった!
    しかもテキサス州ですか。また遠い所だなぁ~
    それじゃ、これから準備とかで忙しくなりますね。
    なにかと大変だとは思いますが、私に出来る事があったら
    何でも言って下さい!(無い?)また詳しい事が決まったら
    メールの方にでも連絡ください。それじゃ、また!

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  4. あいこさん

    そうなんですー。魚類の引越し、予想以上に大変なんですよね。
    猫1匹と人間だけでも時間かかっちゃうのに、金魚も連れていくとなると時間がどれだけあっても足りない・・・。
    預かってくれる友達がいて、助かりました。

    金魚、後日ほんとうに連れに帰るんですよ。
    わざわざ金魚のためにイタリアーイギリスを往復したという・・・!

    >引越し
    することになりました〜。といっても7月です。
    アメリカはビザ取得に時間がかかるので、これでも最速なんですって。ヨーロッパは移動が簡単なのになぁ。

    >国民
    ありがとうございます(拝)。
    そういって頂くと、ほんとうに「感無量」です。
    テキサスにいいネタがあるといいなあ。

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  5. まさしさん

    金魚って、水をすごく汚しちゃう魚なんですって。
    だからといって、汚れた水でも平気かというと、意外にすぐ病気になってしまうみたいですね。
    魚の管理は水の管理・・・。勉強しましたw

    >引越し
    つぶやき、覚えていてくださいましたかw 
    ありがとうございます。決定になったんです。

    テキサス・・・また、テキサスです。
    準備は慣れてるんで大丈夫です。余裕ですw
    だって、7年間で、7回国境またいで引越してますから・・・。
    ジプシーと呼んでくださいwww

    引越しは7月になるので、それまではなんとか更新を続けると思いますw お手伝いのお申し出もありがとうございます。
    何か思いついたら、本当にご連絡しますwww ふひょひょw

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  6. お引っ越しですかぁ...。

    8月1日まではOFFってことなの?

    うらやましいなぁ。

    なんちゃって、ずいぶん長い休暇を取った後の私なんですが
    今、新しい水におよぎだしたところ、
    新しい水槽が新鮮です。

    終わる命もありますが、
    その代わりに生まれるものもたくさんあります。

    素敵な新生活、たくさんいいことがありますように。

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  7. ピッコラさんお久しぶりです!
    イギリスに留学なさっていたのだと私勝手に思い込んでいましたが、旦那さんの赴任先だったのですね。

    大切な金魚を預かってくださる優しい人がいてよかったですね。お母さん金魚の最後の写真が悲しいですね。

    それと、皆さんのコメントを読んで分かりましたが、アメリカに引っ越しなさるんですね!?色んな所に住まいを移すことが出来るなんて、夢が広がりますね!ごろっとイメージが変わって、テキサスからのブログも楽しみです。

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  8. あいこ23/4/11

    7月ですか~・・・暑いので(テキサスも暑いのかな)頑張って引越し準備もしてくださいね!

    そういえば・・・私も19歳の時にもらった屋台の金魚。2cmくらいの金魚。
    引っ越す時に、実家へ行き、整備も整ったエサもいいもの?笑の実家で甘やかされたのか。
    9年生きて、なんと、体調10cmほどに!
    「あなた、誰ですか?!」と思うくらいに育ってました(笑)
    金魚って日本では夏の風物詩ですよね^^
    日本の夏といえば
    蚊取り線香に、金魚に風鈴があれば絵で説明できます。

    イタリアでも、そうなのかなぁ?

    返信削除
  9. obabaさん

    >8月までOFF
    だったらどんなにいいか・・・
    海外引越しでも、有給を申請しない限りは、引越し前日まで仕事ですよwww だから、あたしが先に仕事をやめて、準備を全部やるわけです。我が家の恒例行事・・・w

    新しいお仕事、慣れるまではきっと大変ですね。
    陰ながら応援しています!

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  10. Rumikoさん

    思い込んでいた、なんて〜w
    あたし、イギリスは留学もしてたんですよ。だから大正解だったんですw 

    >引越し
    左の欄外の「つぶやき」を読んでくださったんです、皆さん。
    分かりにくかったですね(苦笑)

    テキサスに楽しい話題があればいいなあ。イタリアはおかしなことだらけだったので、ネタがつきませんでしたが(笑)

    引越しになる前に、せめて「金魚の引越し」まではアップしようっとw

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  11. あいこさん

    夏のテキサスは、灼熱地獄です。40℃を越えます。
    こんな時期に重いもの運んだりするなんて、イヤだなあ・・・

    9年も生きたんですね、あいこさんの金魚。
    立派だなあ。うちのも長生きさせるように、がんばろうっと。

    イタリアの夏の風物詩・・・
    なんだろう?バカンスかな?水辺で「日焼け」が夏のイメージかも。花火はないし・・・蚊はいますけど。

    あ、わかった、ジェラート。これですよ、イタリアの夏は。

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  12. う……お母さんが?
    王子様のもとで、子金魚たちは無事に育つのでしょうか。
    どきどきします。

    ……おもしろい……というのは表現が悪いですが
    惹きつけられて読みました……。

    うう、どうか無事ですように。

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  13. fullpotさん

    そうなんです。おかあさんまで・・・。

    >王子様
    エルメアくんは白馬ならぬ、白のボロ・フォードに乗った王子様ですw 彼も金魚については素人なので、正直なところ、ちょっと心配でしたね。

    子金魚は無事に育って、海を越えて引越しができるんでしょうか!?

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