5/09/2011

エピローグ、プロローグ

 
 これまでのきんぎょ騒動は・・・
 でお送りしています。





2009年7月。

イギリスを引越してイタリアにゆくという海外引越しの最終段階、最後の一週間にに入って以来毎日、
段ボール箱をガムテープでとめては積み上げ、
箱に入って邪魔をしたがる猫を蹴散らし、
毎晩、食事に呼ばれて午前に帰宅し、
毎朝、かれた喉と筋肉痛とともに目覚める日々が続いていた。

羊たち。毛刈りの直後。


こんな混乱したイギリス生活も、最終日が翌日へと迫り、
イタリアナンバーをつけた引越しトラックがやってきた。

ただし、

東ヨーロッパの母国語しか話せないトラックドライバーと、
英語もイタリア語も話すドライバーの奥さんが、うちの玄関のドアを容赦なくたたいたのは、朝6時半のことだった。

繰り返しますが、朝、6時半のことだった。

たまたまトイレに起きたアレックスが窓の外を見たら、イタリアナンバー「I」をつけたトラックがアイドリングしているのを見つけ、ガウンをはおって玄関まで見に行ったのだ。

「トラックが来てる・・・・!」あたしはアレックスの悲鳴をベッドで聞いた。
ノックがあったのは、その30秒後だった。

普通なら、ひとは、朝6時半に、他人の家を訪問しない。

ましてや、昨日あるはずだった、トラック到着時間確認の電話連絡もまったくないまま、引越しトラックが、荷物の積み込みを強要したりしない。

しかし、この人たちには、一般論は通用しなかった。
「すぐ折り返して出発したいんで、ヨロシク!」というのが挨拶だった。

あたしがほんわかと包まって寝ていた前日のアレックスの会社の送別パーティーのなごりも、筋肉痛も、ベッドの端で丸まっている猫も、シーツごとけとばして、いきなり荷物の積み込みがはじまった。

乾燥途中のバスタオルや、お箸やコップをとりあえず箱に押し込んでテープでとめた。なにがなんだか、もうわからない。

荷物が完成していなかったので、暇をもてあまして、タバコを吸いにいったドライバーを見て、怒りがふつふつとこみあげてきた。

早朝、私が通常住んでいる宇宙の法則では、人がまだ寝ている時間帯に、ドアをノックする、この非常識さ・・・・!

「何時だと思ってんだ。出直してこい」と罵るのをこらえた仏頂面のあたしをなだめつつ、
トラックドライバーとにこやかに世間話をし、
最後には、ご親切に食後酒のボトルをプレゼントしたアレックスは、こういう。

「ドライバーのご機嫌を損ねると、荷物を粉砕しておいて、知らん顔するかもしれないでしょ。クレームつけるのは、荷物がイタリアに着いてから。我慢我慢。」

常識がまったく通用しないイタリア生活が、ご丁寧に玄関先までやってきた。

近所の八百屋さん。ある夏の日。



・・・「金魚の世話の仕方」という直筆のメモと金魚についての本を一冊携えて、車で15分の友人エルメアくんの家に金魚を連れて行ったのは、その日の晩のことでした。

8匹生き残った金魚の子供たち、みんな元気でね!ちゃんと引き取りに帰ってくるからね!


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13 件のコメント:

  1. アメリカで同質の対応を受けた方から
    お話を伺ったことがあります

    そう考えると、日本はなんと几帳面な国なのでしょう
    日本以外に住む度量がありません

    今は神戸市の田舎に住んでいますが、
    大阪の千里ニュータウンから越して8年、
    未だに田舎のいい加減さに慣れませんが…

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  2. あいこ10/5/11

    日本にも数多くの引越し業者がいますよね~・・。

    同県内ならまだいいのですが、長距離移動となると機嫌損ねちゃまずいし・・・と、包む金額もドキドキもんです~。。

    ましてや国が変わるとなると・・・。

    私や母は田舎育ちなので前々から確認・・確認・・のタイプですが、都会育ちの妹は「引越しやさん、今日何時にくるの?」「え??知らないよ??」・・・・でした(笑)
    あわてて電話をかけまくる私に、妹は「おねえちゃん、すごいねぇ」と(笑)
    男性からはほっとけないタイプなんだろうな・・とちょっとうらやましくも思っています(笑)

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  3. オーストラリアも同じですよ〜!
    友人がソファーを買いに行って、配達を頼んだら朝の6時に持って来たらしいです。こっちの人って朝はできるだけ早く仕事を始めて、夕方に早く仕事を切り上げる法則を持っています。
    朝はどれだけ早くても文句は言わないけど、夕方4時を過ぎたらやる気なしの態度に変わり、4時半頃から帰る用意をし始めますから怖いんですよね〜、店とか郵便局の人の客を見る目つきが。

    アレックスさんの言うこと、オーストラリアでも同じように考えます。先に文句を言うと、絶対に悪いことしますからね。

    素敵なイギリスのストリートですね。ただ毎日住んでたら退屈かもですね。。。

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  4. うあ~朝六時半にトラック! きついです~。
    約束の時間になるまで近くで待機している日本人ドライバーが、貴重な存在に思えてきました。
    あと五時間ほどうしろに時間をずらしてくれたら……イタリアのアバウトさ、大好きなんですけど~。

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  5. FREUDEさん

    たまに日本に帰ると、
    電車が30秒と遅れず到着し、
    宅配便が指定時刻きっかりにやってくるのを見て、
    こんな便利なことがあろうかと浦島花子のように感激します。

    大阪と神戸の郊外でももう利便性に違いがあるんですね。
    一旦便利なことに慣れてしまうと、以前に戻るのって難しいもんです・・・(ふぅ〜)

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  6. あいこさん

    あいこさん、おねえちゃんっぷりを発揮してるんですねw
    しっかり者のお姉ちゃんがいるからこそ、妹がのんびりしていられるという図式ですよ、それはwww
    ちょっと聞いただけでも、楽しいご家族です〜w

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  7. Rumikoさん

    >4時以降の店内
    やる気ないですよね〜。
    レジに並んでいても終業時間5分前になったら「今日はこれで終わりだから、明日にして」って言われたことあります!
    職業意識に欠けるんですよ〜その点日本はサービスが最高ですからね〜。
    いつも笑顔で、お客様は神様〜www

    でも、朝早くてもいいっていうのは凄い。
    アメリカも朝早いんだよなーほら、東海岸と何時間も時差がありますから、東に合わせることが多いんです。
    朝弱いあたしには、辛いのです〜。

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  8. fullpotさん

    引越しでも配達でも修理でも
    午前に来るといって来ない。電話をかけると翌日になっている。
    その次の日1日待ってもこない。文句をいうと来週に回される・・・
    ということかまかり通っているのです、イタリア(および日本以外の国)では・・・

    かと思えば朝6時半に来ちゃうし。だからね、逆に時間通りに仕上がっていなくてもOKなんだと思いますよ。そこはラクといえばラク。アバウトすぎますねw

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  9. う〜ん。俺の常識でも6時半はないな〜すごい。
    俺は割と近場でチョロチョロと引越しをする機会が多くて、大抵は友人に手伝ってもらって自力で行ってたんですが、先の引越しでは初めて業者さんに頼みました。
    当日、イマドキのちゃらい外見のお兄ちゃんが3人来て、内心『こいつら大丈夫か?』と思ってたんですが、その働きっぷりは素晴らしく感心しきりでした。日本人のまじめさっていいわあ〜。

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  10. あいこ11/5/11

    横からごめんなさい。

    オーストラリアの朝早くにして夕方切り上げ・・・。

    いいですねぇ、それもまた、
    日の出と共に起きて日の入りと共に就寝・・・。
    健康によさそうだし、お肌にもよさそう(笑)

    日本の古い時代みたいですが
    人間も自然の一部となれば、それは
    とても素敵なことで、自然なことなのでしょうねぇ・・・。

    私も、そういうシフトに人生をチェンジしたいな♪

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  11. コウスケさん

    引越しバイトといえば、大学生男子の稼げるバイトの王道ですねw
    ちゃらいお兄ちゃんを指導してキッチリ使える引越し屋さんも偉い!日本人の仕事に対する意識ってのも、きっとあると思いますけどね。
    ちょっとやそっとじゃ、真似できないです。日本人のプロ意識。
    日本バンザイ!!!

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  12. あいこさん

    ニュージーランドも似たような感じでしたか?

    なんでも日の出直後の太陽光には、現代生活で狂いがちな体内時計を調整する力があるとか。
    (時差ぼけも治っちゃうらしい!)
    日の出とともに活動する生き物の力が、人間にもまだ生きているんですねぇ〜!そういう生活が、本当なら一番いいのかも・・・

    え?早起き?あたしは無理ですwww

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  13. さすがに6時半はキツイですね~
    私なら間違いなくケンカになります。
    あまり後先を考えないで行動しちゃうので。

    つぶやきの花粉症、読みましたよ!
    鼻苦しそうで、お気の毒です…
    北海道は、ほとんど無いので遊びに来てね~

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