12/09/2010

クリスマス

ピッコラ:せめて、お正月だけは、日本で過ごしたいと切に願う、ホームシックのPICCOLAです、皆さんお元気ですか。

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(c) puddy写真素材 PIXTA

アレックス:イタリアのクリスマス、と聞くと、厳粛なイメージを持たれるかもしれませんが、最近では、そうでもありません。

ピッコラ:といっても、昔のことはわかりません。

アレックス:21世紀のイタリアは、資本主義/ 経済主体の風潮に流されて、
ミラノのドゥオモ(大聖堂)やバチカンのサンピエトロ大寺院でイメージされるような、荘厳な雰囲気のクリスマスは、望むべくもありません。

じっさい、現法王ベネディクト16世も「商業主義・物質主義がクリスマスの精神を汚している」と批判なさいました。(2006年12月)

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(c) チィ写真素材 PIXTA


ピッコラ:もちろんクリスマスにミサに行くご家庭はたくさんあるかと思いますが、それだったらお正月だけ神道を信仰する日本人と、そう変わらないわけです。

アレックス:そんな日に大聖堂に行っても混雑しているし、寒いだけです。

ピッコラ:そうそう。除夜の鐘を鳴らしに行列する勢いです。
・・・ちょっと待て、クリスチャンのくせにそんなでいいの?

アレックス: ぼくはほとんどエセ信者なんだ、ごめんよ。
近所の教会だったら、お祈りが通常の2割増になるのと引換えに、割増料金のご寄付を払うことになります。


ピッコラ:寄付だからべつに好きにすればいいんだけど、やっぱり気になるよね。
アレックス:扉の前の物乞いも、この時期はもらいがいいもんね。

ピッコラ:さて、イタリア人はクリスマスに何をするか。 やっぱり、サンタさんが街にやってきます。

アレックス:イタリアでは、サンタさんのことは、「バッボ・ナターレ」と呼ばれています。クリスマスの父、と言う意味です。

ピッコラ:バッボ、と聞くと私は、映画「ライフ・イズ・ビューティフル」の男の子か、 子連れ狼の大五郎が、うずまき状の巨大ぺろぺろキャンディーを持って、
「ちゃんっ!」
とよぶのを想像してしまいます。


アレックス:子連れ狼には、そんな事実はありません。

ピッコラ:よく知ってんね。

アレックス:イタリアでも子連れ狼やってたもん、昔。

ピッコラ:ナターレ、の方は、クリスマス、という意味です。

アレックス:そのクリスマスの父、バッボナターレが、クリスマスイブにプレゼントを持ってくるわけです。

ピッコラ:だから、この時期は、「いい子にしていないとだめなんだよ〜」と、親から正々堂々と脅迫されることになります。その辺は日本と同じです。


アレックス:敬虔なるカトリック教徒は、クリスマスの前には、家に「キリスト生誕」の人形を飾ります。

ピッコラ:写真がないので、段差のないお雛様の卓上版(ミニ)3500円 1980円、を想像してください。

アレックス:んもう。写真くらい用意しなよ。これです。


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アレックス:厩(うまや)というか洞窟のような模型セットの中に、キリスト生誕に関わる人々、ヨセフとマリア、東方の三博士、エンジェル、ひつじの人形を飾ります。

ピッコラ:もちろん、わらを敷いた飼い葉桶に小さなイエスが置かれます。

アレックス:これを、自然の石や藁、木切れや手作り人形なんかをつかって、毎年10月から作成している人を、ぼくは知っています。

ピッコラ:毎年新しく作るそうですが、実に無駄に思われます。

アレックス:クリスマスツリーは、もとはドイツの風習ですが、最近はイタリアでも普及しています。

家全体を電飾しているところもよく見かけますが、アメリカやイギリスとは比較にならない質素さです。

ピッコラ:ちなみにクリスマスのイルミネーションは、私の意見では、日本が一番綺麗です。

アレックス:綺麗だよね、日本のクリスマス。

ピッコラ:続きます。


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