(前回のあらすじ)空港のなかには幾つもの難所がある。
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まだ出国する前、飛行機に乗る以前の金属探知機は、三途の川の手前にある「賽の河原」だ。そこでは全身をスキャンされて、持ち物と罪(この場合は金属だが)を洗いざらいベルトコンベアーに並べられ、量刑が行われるのだ・・・・・
その日、何の因果か金属探知機にさんざんピーピーいわれて罪人の気分を味わい、
さらには現在この瞬間、個人的にボディチェックされるべく「こっちこっち」と呼ばれている気の毒なイタリア人、デニスくん(26歳)。
彼は、初めての出張のために一人、ミュンヘン空港にいた。
デニスは、係員のせりふを誤解し、通過したばかりの金属探知機の白いゲートをまた抜けて、数歩後退した。後ろの乗客の大げさなため息が聞こえた。
(〃゚д゚;A アセアセ・・・
周りを見渡すと、係員のところで両手を広げてボディチェックされている人が目にはいった。そこで、自分もそれに習ってみた。つまり金属探知機の手前でひとり、ボディーチェックの体勢をとった。
両手両足を広げて、大の字をつくったわけだ。
「通さへんで〜」といわんばかりの ゴールキーバーの体勢だ。
苦笑した係員が「ノーノー!こっちです。こっち来て!」と手招きする。
しかし、デニスは極度の緊張と金属探知機のストレスが重なって、できるはずの英語も忘れ、係員の言うことが理解できない状態に陥っていた。
「え?何?わかんないんですけど?」イタリア語で叫んでみる。ようやく手招きされているのに気づいた。
だから、 大の字のまま金属探知機を通過しはじめた・・・
しかし、デニスは極度の緊張と金属探知機のストレスが重なって、できるはずの英語も忘れ、係員の言うことが理解できない状態に陥っていた。
「え?何?わかんないんですけど?」イタリア語で叫んでみる。ようやく手招きされているのに気づいた。
だから、 大の字のまま金属探知機を通過しはじめた・・・
両手両足をひろげ、右手右足を一歩すすめ、左手左足を揃える。
右手右足、左手左足。
右手右足、左手左足。
自分でも、おかしな歩き方だと感じたらしい。でも、普通の歩き方がどんなだか、思い出すこともできない。
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頭がぶつかりもしない金属探知機の下をくぐる時には、つい、頭をさげてしまい、また、右手右足を出す・・・・。
列の後ろから、押し殺した笑いが起こった。
( ̄m ̄〃)ぷぷっ!
それでさらに、デニスは真っ赤になる。
( ̄m ̄〃)ぷぷっ!
それでさらに、デニスは真っ赤になる。
両手はまだ広げたまま、でも恥ずかしさゆえ手先はちょっと下向きに。
\(; ̄o ̄)/ アセアセ
\(; ̄o ̄)/ アセアセ
頭をさげて、さらに身を低くした状態で、右手右足、左手左足・・・・。
列の後ろから、笑い声が響く。
( ̄m ̄〃)ぶぶぶぶっ!(* ̄m ̄)
頭は真っ白、視界が狭まって半径1mくらいしか目に入っていない。
口からは知らずにイタリア語がもれる「あの、その、ええと」
デニスのカニの縦歩き。
人形をむりやり歩かせたような硬直感。
スキーをはじめて履いた人のような不自然な姿・・・
口からは知らずにイタリア語がもれる「あの、その、ええと」
デニスのカニの縦歩き。
人形をむりやり歩かせたような硬直感。
スキーをはじめて履いた人のような不自然な姿・・・
いつも冷静な係官たちが耐えきれず吹き出す (≧∇≦)ぶぁっはっはっ!!
見かねて一人がデニスを救出にいく。
見かねて一人がデニスを救出にいく。
腕を引かれているのに、右手右足、左手左足・・・。
まるで連行される服役囚のようだ。
隣列の係官も遠くの乗客も、一斉にデニスに注目して金属探知業務は停止してしまった。
容赦ない笑い声が全身に突き刺さる。
どはははは(≧∇≦)(≧∇≦)(≧∇≦)(≧∇≦)(≧∇≦)(≧∇≦)はははは!
どはははは(≧∇≦)(≧∇≦)(≧∇≦)(≧∇≦)(≧∇≦)(≧∇≦)はははは!
ようやくスキャンが終わったデニスをみて、本日のショーは終了。
ご来場ありがとうございました・・・・
ご来場ありがとうございました・・・・
止まっていた列が動き始めた。
「人生、最悪の数分間だった。」
そのあと顔を洗い、コーヒーを飲んで正気を取り戻したデニス。
「人生、最悪の数分間だった。」
そのあと顔を洗い、コーヒーを飲んで正気を取り戻したデニス。
残念ながらデニスは、まだ最悪というものを甘くみていた。
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免税店入り口近くで、若い女性が2人いて、くすくす笑っている。
そこに合流してきた男性2人、デニスを見つけて爆笑した。
一人がさっきのデニスの真似、つまり
大の字をつくって、右手右足、左手左足・・・。
しかも、ゲートをくぐる仕草まで。
「むがむがむがむが。」と台詞までついている。「Mr.ビーン!Mr.ビーン!」女の子が笑う。
学生のころのあだ名「Mr.ビーン」を、つまり、忘れたい過去をピンポイントで赤の他人に指摘されたデニス。その場を逃げ出した。
学生のころのあだ名「Mr.ビーン」を、つまり、忘れたい過去をピンポイントで赤の他人に指摘されたデニス。その場を逃げ出した。
どんな罪を犯したのだろう、デニスはその4人と同じ便に乗ったという。
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これ実話ですかw?
返信削除知り合いに似たような事をした知り合いがいるんですがw
なんという折檻wwでもおかしくてお茶フキましたww
返信削除人間緊張するとどうなったもんかわかりませんですよ。
デニス君。おつかれさまでございましたwwww
おかしな話でした。頭で想像すると気の毒なくらい。私の母もそのようなところがあり、可哀想なので、ひとりでは絶対に空港を利用してもらいたくないタイプです。
返信削除それ・・・
返信削除ひょっとして、ひょっとしますが・・・
ピッコラ氏自身のことでしょ!(^w^) ぶぶぶ・・・
違ってたら、、さぁ・・・
ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘
デニス君、ホントにお気の毒ですが…笑ってしまった(^▽^)ノシ〟
返信削除以前、ホノルルで国際線から国内線(ハワイアン航空)に乗り換える時、国内線ターミナルの金属探知機がやたら反応のいいヤツで、何度もピーピー鳴られてるオジサンを見たことがあります。
どうもベルトのバックルに反応してたらしいんですが、そのオジサンは、しばし原因がわからずアタフタしてたなぁ。
藤井さん
返信削除はい、実話ですw
藤井さんのお知り合いとオトモダチになれそうですね、デニスくんw
nawoさん
返信削除>お茶フキました
鼻血じゃなくてよかったですw
>緊張
手のひらに人・人・人ってやらないといけませんねw
ケンケンさん
返信削除まっ!あたしはこんな中途半端な失敗はしませんよっ
入国審査で強制送還されそうになるとか、
ドバイで拉致られそうになるとか、
ストリートガールと間違われて車が止まるとか、
そんな人生ですw ふっ。
みやさん
返信削除アメリカはキビシイですからね〜。
ハワイのそのおじさん、未来のデニスくんだったかも!?
ドラマのLOST風に。
Rumikoさん
返信削除あらら〜コメントがあがってなかった!ごめんなさい、順番おかしくなっちゃって!
うちの親もさんざんですよw
親の失敗ってほんと、恥ずかしいを通り越して、こう・・・痛みを感じますよね。
とはいえ、「あんたらソックリだよ」とよく言われますがw
「ゴールキーバーの体勢」には思わず
返信削除笑ってしまいましたが、デニスくん…お気の毒です。
以前、自分も似た様な経験をしたことが!
デニスくんとは、良いお友達になれそうです!!
まさしさん
返信削除あたしは清らかな天使なので、あんなところで捕まったりしませんが、ふつうは一度くらいやられますねw おほほほ(と高笑い)
え?天使というより三途の川の鬼婆、奪衣婆(だつえばば)だろって?
>>ストリートガールと間違われて車が止まるとか
返信削除(」゜ロ゜)」オオオオオッッッ
それは是非ともピッコラ様の生画像を拝見したく。
オネガイッ…(*゜。゜)m。★.::・
ケンケンさん
返信削除>生画像
妄想しておくのが吉でしょう。
厨房に突っ立っていたら、
業務用マヨネーズと間違われるような容姿だとお教えしておきますwww