3/15/2011

地震に関する海外メディアの反応②

つづいて、また現時点での海外メディアを通しての、最新情報をお伝えします。
更新の遅延をお詫びします。


日本の原発の安全性神話が崩壊した。東海の臨界事故に続いて、最悪の事態である。

今回は、人的災害とは言えないため、事故の情報と同時に、世界の原子力発電の安全基準も完全に足下をすくわれた格好となった。
なにしろ日本の原発は、政府が何度も発表するように、安全に安全を重ねて作られており、その安全基準は世界一高いものだったからだ。
それは当然、地震を想定していたから、であり、今回は完全に東北関東大地震に破壊されてしまったのだが。 

日本の原発の安全基準の高さがどのくらいだったかというのは、他国へのこの事件の波及効果で知ることができる。

例えば、ドイツの環境省長は、福島原発の事故に学んで、国内の原子力発電の安全基準を完全に一新することを示唆した。 (BBC World)

”こういうことが安全基準が極めて高い国で発生した・・・我々が全ての危機から保護されているのかという初歩的な議論がまた開始された。そして、我々はその質問を申し入れたい。”


Anthony Froggart氏、Chatham House (英国の国際時事問題のエキスパート)の主任研究員は、
この福島原発の危機によってさまざまな波状効果があるとしたうえで、
特に、(英国で)原子力発電戦略が見直されることには疑いがないと述べた。

”異なったレベルへの影響が見られるだろう。政治面でも、一般市民も、原子力発電所の建設地について再考することになるだろう。 

しかし、もっとも重要なのは経済への影響だろうと思う。

今、我々は、地震に際して日本の原子炉が要する安全対策を目にすることができた。
この教訓は、現在稼働中の原子炉と、今後開発される原子炉への経済的影響を及ぼすような対策を導くことになるだろう。

つまり、単に経済的な理由によって、原子力への依存から他の発電へと移行する可能性があるということだ BBC World にて発言。

その影響は、この24−48時間ですでに見られ始めた。

安全が最優先であるとして、スイスが老朽化した原発の「交換」案を取り下げ(AFPレポート)、ドイツも原子力発電所の「寿命を3ヶ月延長」する議論を中止した。

日本では議論にものぼらないようなお話だ。 他国の原発の安全基準が推し量られるというものである。

私は、現政権を完全に支持しているわけではないが、
今回の事故は、これほどの安全対策を施していた日本の原発にも耐えれられなかった、という印象だ。 少なくとも海外メディアではそうだ。

しかし、この一件が国民の不安を著しく煽っているのは間違いない。
それには、いくつかの原因があるが、メディア上での日本政府の対応のまずさを指摘する声がある。

以下、ファイナンシャルタイムズより

”公平に見ると、日本の政府は国民とのコミュニケーションや救助活動の指揮をそれなりに上手く取っているといえる。ただし、今回の災害以前のあれやこれを思って期待していなかった分、余計によく見えているのかもしれないが。

・・・しかし、原発のダメージが現実的なものとなった現在、これからが本格的な試練だ。政府は今後、あるだけの知恵を絞ってエキスパートたちの質問に答えていかねばならない。”

”枝野幸男内閣官房長官は、どうも、知的に聞こえるような返答に終止しているようだが、それは良いようで悪い。パニックは確かに防がなければならないが、主導的立場にある人間の回答の正直さに疑いの陰が差せば、すくなくともメディアの上では最悪の反応を招きかねない。”

と、率直さを欠いた返答、つまり国民に「正直に答えていないのではないか」という印象を与えるとしている。

しかし、政府にも今後の見通しにも絶望するのは早い。

例えば、雑誌Timeでは、こういって応援のエールを送っている。 

この規模の地震が他のどのアジア諸国を襲ったとしても、失われる生命は確実にもっと多かったと言える。・・・この災害の最終的な影響によって、日本の社会と経済は苦労を強いられるだろうが、同時に日本よりも復活する力のある国は、世界にはほとんどない。

Haffinton postの日本在住記者は、日本人の底力について賞賛の眼差しを隠せない。

私は頻繁に日本の格言を引用するようなタイプではないのだが、今日、私が目撃したことは、人が生きるための秘密ともいえるもので、私の心を強く打った。
それでここに書き記し、皆に伝えたいと願う。それは、こうだ。
「七転び、八起き」。


イタリアからのブログを銘打っていながら英語のメディアばかり引用しましたが、個人的には、英国(とくにBBC)の報道は正確で偏見が少ないと思っているので、そちらを中心に見てみました。(記事が米国よりも欧州中心になっています)

それでは、また明日。明日は、金魚の記事にしようかな?




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10 件のコメント:

  1. 膨大な情報を、ありがとうございます。
    そろそろ、政府や東京電力も深刻な状況を開示するようになってきました。
    それでも、周囲への影響など多々信じられないことを言ってますが。
    未だに、影響はない、とか言い切ってます。
    そして、政府と東京電力が合同で対策本部を作りました。
    思ったことは、
    遅過ぎる!
    ってことです。
    怒りと憤りを覚えます。
    本当なら、今すぐにでも日本海側に逃げたい気持ちです。
    家族からも要請ありますが、なにぶん企業使命も果たさなくてはならないし、現実問題難しいっす。。
    Piccolaさんに当たる形になってますね。申し訳ない。。
    友達や同僚、みんな、刻々と変化するこの状況を見守るしか出来なくて、不安や恐怖は隠しきれてないです。
    150キロ以上離れてる土地でさえこんなに不安なのだから、より近い人達の不安は計り知れないでしょう。
    原発問題は、少なからず政治的な要素もあるでしょうし、正確な情報は開示できないかもしれないでしょうけど、どうか人道的な対策を講じてほしいです。
    結局、この地で役立てることと言えば、自分の仕事を全うすることくらいしかないです。
    子供に、「どんだけ今まで幸せだったか」なんて言わせるこの状況。
    そして政府や東京電力の対応、現場に居合わせたならまた意見は変わるかもしれませんが、取り敢えず今は、その遅さや打つ手なしの状況に怒りしか湧きません。
    無責任に「無害」だなんて言わないで欲しい。
    あー、重いっすね。
    申し訳ない!頑張ります!情報、本当ーに!感謝します!

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  2. Piccolaさん、情報ありがとうございます。
    少なくともこの情報を見るかぎり、海外の目は冷静で正確だと感じます。
    また、日本人の不屈の精神に期待し疑っていないことに日本人として誇りに思います。

    今朝、やぅと連絡が取れた福島の知人も震災当日から炊き出しに奔走しているとのことでした。

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  3. たげしさん

    おはようございます、こちらは8時間遅れで朝になりました。

    状況が悪化の一途をたどっているようで、私まで身の置き所のない思いをしています。

    政府や東電の対応が後手に回っているのは、みんながパニックに陥っていて情報が錯綜しているからだろうと今朝のニュースで言っていました。

    情報はいくらあっても足りない状態、信じたい情報しか信じられない状態です。たげしさんはどうぞ、皆を冷静にする側にまわってください。

    ・・・なんて、震源地にいない私が何を言ってもひとごとなので、申し訳ない限りです。

    そうそう、重いなんてことないですよ、だっておっしゃる通りなんですもん。
    だから、思ったままぶちまけてください、だって聞くことしかできないんですから。いつでもどうぞ。

    今日の情報、ご興味がおありでしたら、またザーッと訳してお届けしますからね。ほら、こっちは節電とかないですから。

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  4. watermarkさん

    ありがとうございます。
    こんな遠くにいるのに、いてもたってもいられないんですよ。

    >海外の目
    もちろん、私の「見つけた情報」しか書くことはできないので、正確かどうかは、正直わかりません。

    でも、原発事故のせいで、世界中の原発関係者が驚愕し、自国の対策に右往左往している様子は伝わってきます。

    また、とっくにパニックに陥っていても不思議でないのに
    助け合って、冷静になろうとしている日本人を見て、心底賞賛する声ばかりです。これは、本当に現実です。

    福島のお知り合いの方、現代のヒーロー・ヒロインのなかの一人、ですね。大変なことばかりでしょうが、私からも応援しています、とお伝えください。

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  5. 人類が手にしてまだ数十年。
    100の物を120で使える力があればいいのですが
    実際には60あるでしょうか・・?
    それすらもない様に思えます。
    手に負えない物を触るべきではなかったのでは?
    と、思います。

    Ps:すみませ~~ん。
    コメヘルプです(T▽T)尸~~SOS!!

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  6. Piccolaさん
    本当に親切にありがとうございます。
    取り敢えず、今日現場に戻りました。w
    一応、被爆計測機器があるので、調べてみたら、取り敢えずは影響ありませんでした。
    今んとこわ。
    それでも、各地の友人と連携して、情報収集している状況です。
    世界の賞賛の声とは裏腹に、ネット等で不安を煽るようなガセネタを流す輩もいて、素直に喜べるような感じではないですね。。
    ひとつの企業が扱う力が、日本もしくは世界を危機に貶めるとは、、力の責任の在り方を、ひしひしと感じてます。
    本当に、親切にどうも♪

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  7. ケンケンさん

    >コメヘルプ
    はい〜ただ今。

    自然を前にして人間の小ささを知る・・・
    こんな機会でもないと、それがわからないなんて、人間って愚かです。

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  8. たげしさん

    レスポンスが前後しちゃいましたが、

    不安がひしひしと伝わってきます。
    ガセネタを流すとかとんでもない。でも、いるんですよね、そういう人たち。ほら、例の「騙されないためには、人の1.5倍賢くなれ」ですよw 

    ほんとうに、ご遠慮なくいつでもどうぞ。

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  9. 日頃さんざん電気を使って生活してきたので、原発に頼るのもやむなし…と思っていたのですが、今回の福島原発のケースで、流石にいろいろ考えてしまいました。

    最初の頃よりも、事故の詳細がいろいろ伝えられるようになってきただけ、まだマシかもしれないのですが…

    今のところ限られた地域へ向けての情報であるとはいえ、ニュースで「被ばくを防ぐには…」という話題が淡々と語られている状況というのは、落ち着かないものです。

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  10. みやさん

    こんなとこにいるあたしですら怖いのに、みなさんの恐怖といったら想像もつかないですよ。

    地震も続発してるし・・・。

    ドイツが原発7基停止したそうです。他国も原発計画見直しとか、日本をみて安穏としていられない様子。
    この際、世界中でほかのエネルギーに換えてしまえばいいのに!

    と、1日パソコンを使ってるあたしが、何を言う・・・(汗)

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