3/29/2010

日焼けしてなんぼ

ヨーロッパ人のステイタスシンボルといえば、家(住所)、車、宝石、などにつづいて、日焼けだ。
というのがあたしの意見。(白人系に限っては、かな)

皮膚がんの横行、しみそばかすも、どこ吹く風〜
春のイースター休暇から夏が終わるまで、トースターにでも入って焼いて来たような茶色の肌の人々が、町を闊歩する。

これは、イギリスでもイタリアでもドイツでもスペインでも同じだ。
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(c) sasa写真素材 PIXTA

日焼けの程度で、休暇の成功度が計れるため、彼女や奥さんを幸せにしたい男性たちは、真っ黒になれる休暇地を探すのに必死にならざるを得ない。

それもできれば海辺で、Sudoku(数独)かうたた寝でもしながら、寝そべって焼くのが最もよい休暇だとされていて、 そのために、夏だけ海辺の別荘を借りたり、南国まで行って最強の日差しで短期に効率よく焼くことも検討される。

さて、それゆえ、休暇中のビーチは日焼けに余念がないひとで埋め尽くされる。
あらゆる角度からカンペキに日焼けをするため、アルミの反射板を持参で首の下を焼いたり、もちろん水着の上をとりはらって胸までまんべんなく焼く女性たちの姿も、とても多い。

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(c) Takuya K.写真素材 PIXTA

だから夏のビーチは、 
モデルのような美しい女性の、歩いても揺れないような胸部から、
これはシリコンが入っているだろうと素人目にもわかるメロン大の胸
孫はおろかひ孫も恐れて退散するような老女の胸部まで、
むねむねむねむね、の花盛りだ。

また、水着の下が「ヒモ状態」の場合は、ヒモをゆるめると太ももにも陽をあてることができるので、なおよいということだ・・・。ごくっ。


妻帯男性諸君にしてみれば、これはもう、奥さんの希望をいれての家族休暇というよりも、

この光景をこころゆくまで堪能するために、1年必死で働いているというのが正しかろう・・・・。


思いかえせば、かつて住んでいたテキサスのアパートのプールでも、常にデッキチェアを占領しているのは、ヨーロッパ人集団だった。

母国に帰って
「どこでそんなに焼いたの!?」ときかれ
「ああ、テキサスに住んでるから自然に焼けちゃうの
と言うのが何より楽しみだと話していた。

・・・それを知っていたせいで、とある結婚式によばれたときに、
花嫁それはそれはこんがりと綺麗に日焼けしていたので

「あなた、ほんっとうに、キレイに焼けてるわね。うらやましいわ」

と褒めたところ

「あたしもともと、こういう肌の色なの。」


と言われたのを、今でも申し訳なく思っている。彼女はメキシコ系だったのだ。



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3/15/2010

世界半周眼科の旅 イギリス編 

世界半周眼科の旅、最終目的地はイギリスでございます。 
イタリア編テキサス編もあります)
イギリスの田舎町の、自然を愛する眼科のお話です。

「あらー、アナタの角膜、傷がついてるわコンタクト、しちゃだめよ〜! 
って禁止令を出したのは、金髪に青い目、指のきれいな美人の眼科医(メガネ屋付属眼科)。

それは、私が住んでた田舎町の眼科で、
町の周辺には羊の大群が「べええええ」「べええええええ」と、駆け回っているようなところ。
市街地はそれなりに栄えていて、お店もまあまあありました。眼科もそのうちの一件。

さて。その眼科医にダメ出しされたその時は、「そうだよね。うんうん、目は大事にしないと」と思って、家に帰ったのでしたが・・・。

2週間後に行っても、「まだだめ」 というではありませんか。
「よくなってきてるけどね。まだ、だめよ〜」
とセクシーな声で言われたら、また、すごすごと引き下がってしまう、弱気な私・・・。

「次回の予約は、3ヶ月後だからね。それまでには、治ってるわよ。
3ヶ月!?
そんなにあたしの目悪いの?だけど、なんか薬は?ただコンタクトしないだけ、ってのが治療なの?

そう言い返せるボキャブラリーもなく、気の弱い私の足は、出口の方へ向かっていました・・・

3/11/2010

世界にひとつだけの・・・

イタリアで、品のいい店に行って服を買うと、あちこちの寸法を直してくれる。

ワンピースの肩ひもを短くしたり、スーツの背中部分やズボンのおしり部分の余りをつまんでくれたり。 一手間で、スーツなんか、見違えるような仕立てになってしまう。
ちょっとしたオーダーメイドのようなものだけど、これがなんと、無料。(セールの時期は除外。悲。)

そういえば、フェラガモの靴や、ベネチアン・ガラスみたいに、イタリアには、まだまだ職人が手作りで商品をつくっているところがたくさんある。

 「イタリアに行くけど、何を買うといいかしら」という質問に答える時、
私なら、ブランド物もいいけれど、こじゃれた手作りのカバンや靴、小物を探して欲しい、と言う。どこかに小技が効いていて、デザインも材料も一味ちがうのだ。

普段使いのバッグや、ジーンズの後ろポケットから、何気にいい色あいの、ソフトな皮の財布が出てくるなんて、ドラマチックすぎるでしょ?


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世界半周眼科の旅 テキサス編2

世界半周眼科の旅 テキサス編1へ

とにかく検査は終了。眼科をあとにしました。
一歩、ドアを出て眼科の外の通路にでたとたん。

ま、まぶしい!

手で顔を覆いたいくらいまぶしい。

薄目をあけて、そろそろと足を踏み出すものの、目の前がしろい
瞳(瞳孔)に光がに入りすぎていて、景色が白いんです。

サングラスがいる、ってのはこのことだったのね!おみやげなんかじゃなかった・・・。

かばんに私物のサングラスが入っていたので、早速かけてみる・・・が。
まだまだ、まぶしい。
全然効果ないじゃんーーー。
くうーーー。悲鳴がでるくらい、まぶしいのよ。

友達との待ち合わせに遅れそうなので、座り込んで待つ気分にもなれず、となれば前進あるのみ!!

ガン飛ばしてるヤンキー兄ちゃんみたいに(表現が古いな)
限りなく閉じているに近い、細〜い薄目をあけて
ゆっくり歩いて建物を出ると、そこには、真っ白な外の世界がありました・・・。

しろい。白いよ。何も見えない〜〜〜。

自分の手も見えないのに、車の運転なんてできない・・・。

そこで思い出した、例のサングラス!
これでなら、見えないこともないかも?

ひとまずぺろっと、筒状にまるまったサングラスを引き伸ばし、顔にくっつけてみる。 お、ちょっとマシ。

けど、あたしって、アホな姿〜。
犯罪の容疑者の目元を黒く塗った写真を地で行ってるよ。はずかし。
ってか、これ大きすぎて、まるまってくるよ。固定できない。

曇り空はすっかり晴れて、夏のような日差しが照りつけるなか、奇妙なサングラスを顔にくっつけて、だけど、鼻が低いせいで固定できず、片手をあてたまま、車に乗って友達との待ち合わせ場所に移動しましたとさ。

危なかった。アメリカの眼科、危険なり。

その後、数時間は、日陰を探して移動し続けましたとさ。
「そこの影に入れて。」

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3/10/2010

昔話と紅茶 後編


 ◆昔話と紅茶 前編◆

マージーがアンティークのティーカップにはいった赤い赤い紅茶を、銀のお盆にのせて運んでくる。

いい香りの湯気がお盆のあとからついてくる。
紅茶には輪切りのレモンが浸っている。
 これは、ホテルに備え付けのカップとティーバッグ。こんなのでもおいしい。


金で縁取りのある大きな菓子皿にのった、チョコレートビスケットをマージーが勧めてくれた。
「ビスケット、取ってね」
「じゃあ、一ついただきます」とあたしがいうと
「あら。まずは二つ、お取りなさいな!」

茶色っぽくなったレモンをカップから取り出し、レモン用の小皿にのせて、隣へまわす。
マージーの紅茶は、いつもアールグレイだ。
紅茶のカップをサイドテーブルにおいて、膝の上には菓子皿とナプキンをおく。

紅茶をすすって一息ついたアレックスが、ジャックに訊く。
「確か元首相のウィンストン・チャーチルと会ったんですよね?」
「そうさ。敬礼されて、『任務、ご苦労であった!』って言われたのさ」と自慢気なジャック。
「チャーチルって、どんな感じなんですか?」
「こわくてまともに見てられなかったよ。下っ端の若造だったからな。大昔のことさ・・・でもな、」
と紅茶を一口くちに含んで、
「あの時、『ファロウ下士官、楽にせよ!』と命令されてから、わしはずっとそれに従って、ラクにしているんだよ
「ははははは!」「おほほほほ、まあジャックったら。困ったものだわ。」
こういうイギリスのジョークを、あたしはジャックとマージーから数えきれないほど学んだ。

「いつまで空軍にいらしたんでしたっけ?」とジャックにまた質問。
「40で退役して、そのあと会社員をしとったよ。飛行機を作る側にまわったのさ」

この会社が、うちのアレックスが働く会社の前身なんだそう。だから、ジャックは会社の大先輩でもある、と。
「いつも寄ってくれてうれしいわ。またいらっしゃいね。」やさしいマージー。

帰りの車に乗り込んだあたしたちにむけて、 明かりのついた玄関を出て手をふっている二人に、
「また来ます!」とさけんだら、息が白かった。


 ◆昔話と紅茶 前編へ◆
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昔話と紅茶 前編

アレックスとあたしが何年も住んでいたイギリスの北の田舎まちに、あるおじいちゃんとおばあちゃんがいます。

名前はジャックとマージー。
御年86歳、結婚64年という、 人生の大先輩。

二人は、アレックスが昔一人で住んでた家のお隣に住んでいます。
住んでいる間は、月に2回くらいご挨拶に行っていました。

ご挨拶なんて言って、実は、あたしたちはマージーのいれる世界でいちばんおいしい紅茶も楽しみだったりして・・。

これは、ある秋のこと。

応接室に通されると、暖炉に火が入っていました。 この地方は10月になるともう寒いんです・・・


いつものとおり、暖炉の脇の肘掛けいすにご夫婦二人が座り、
あたしたちは暖炉の正面の大きくて座り心地のいいソファーをすすめられる。

暖炉の炭の赤い光が、白くなった灰のかげでちらちらしている。

二人とも、やさしくしわがよった白い肌をしていて、まっしろの髪がやわらかそう。
鼻や耳なんかはほんのりピンク。白くなったまつげの奥でうすい青色の瞳がキラキラしてる。
お元気でしたか?と訊ねると、
「あちこちは悪いけどなんとか生きとるよ」、なんて。

「最近、新聞をあけて最初に見るのが、おくやみ欄なんだ。誰が先に行ったか見るのさ。」
と、さっそくイギリスのブラックユーモアを出してくるジャック。


「紅茶、召し上がるわよね?」と静かに席をたつマージー。

ジャックは、イギリスのロイヤル・エアフォース、英国空軍の飛行機乗りだったんです。
「結婚しようって言ってた矢先に、戦争に行くことになってね。」

ドイツにいかれたんでしたか?とアレックスが訊くと

「うん。他にもあちこち行ったよ。南アフリカに1年、モルディブに3ヶ月、インドに18ヶ月・・・」
イギリスは、第二次大戦終結後も、植民地支配のための派兵をしていたそうです。


「ドイツにも行ったけど、地面は踏んでないのさ」といたずらっぽい顔でジャックがいう。
あたしがわからない顔をしていると
「行って、『任務を遂行して』帰ってきただけなんだ。」

手を飛行機にみたてて、爆弾を落とすふりをしてみせる。いたずらっぽい笑顔。

「あのころは、そういう時代だったんですよ」と、台所からマージー。
お湯が沸く音がしてくる。




紅茶はレモンかミルクか?本場イギリスじゃ、どうしてる? >>

世界半周眼科の旅 テキサス編1

コンタクトをくれないイギリスの眼科から、イタリアのオーダーメイド・コンタクト眼科まで、超ど近眼の私の眼科めぐりの旅をおとどけします。

今日はアメリカの眼科のお話。

アメリカの医療機関の常ですが、
やはり眼科でも、初診の際には、個人情報公開と診療方法に同意する、という書類を書かされます。法律には、非常に厳しい訴訟大国アメリカ。

で、同意? するよ、する。しないと診てもらえないもん。

そこの1項に、こんなことが。

今回の診療で、○○○という検査があり、それをすると、3−6時間は目がくらむ、物が見えにくい、まぶしいなどの副作用を起こすことがあります。
車の運転をするかたは、注意が必要です。この検査に同意しますか?

同意?するよ、する。しないとメンドクサイことになるもん。

そのうち、名前を呼ばれて、診察室へ。

(診察中。しばらくおまちください)

3/09/2010

世界半周眼科の旅 イタリア編

イタリアでは、むかしながらの手作り製品が、まだまだ生きている。

コンタクトレンズにまで、オーダーメイド精神を発揮するというのは、私の想像をこえていたけど、考えてみれば、目なんて一番使う感覚器官で、繊細な部分なのだから、
「あなたの目にぴったり合ったものを作りましょう」というのも、わからないでもない。

コンタクトがなくなったとつぶやいたあたしに、友人が友人のさらに友人を紹介してくれた。
コンタクト専門眼科医だ。

パスタは1日100g

ダイエットをしてるせいで、アレックス(だんな)の機嫌が悪い。

「太った〜」
っていうから、スポーツジムに行けば?って言ったんだけど、
寒いから嫌だとか、時差ぼけだからいやだとか言って、重い腰(文字通り)を上げない。

てなわけで、アレックスはダイエットを決行することにした。
その、イタリア式ダイエットとは・・・