恐山の三途の川 (c) nagareshita|写真素材 PIXTA |
空港のなかには幾つもの難所がある。
たとえば外国へ到着してすぐにゾロゾロ連行されていく、入国のパスポートコントロール。
ここでの「英語での個人審問」は、閻魔様クラスの最難関だといえる。
だいたいにおいて、聴衆のまえでプライベートな質問に答えるなんて、人権侵害じゃなかろうかと常々思う。
それも英語でなんてとんでもない。
自慢じゃないが、高校では物理と数学に次いで苦手科目だったので、英語の授業中は、友達に手紙を回したり、
(当時は携帯はなかったのだ!ポケベルがせいぜいだった)
ノートの隅っこにパラパラマンガを書いたり、かっこいい○○くんについてあれこれ夢想していたくらいだ。
ようやく苦行から解放されたというのに、今さら教壇の前に立って英語で質問されるのは、悪夢のなかでだって嫌だ。
思えば、高校2年のときの英語教師は、閻魔様のような顔をしていたのだった・・・(女性だったが)
ここでの「英語での個人審問」は、閻魔様クラスの最難関だといえる。
だいたいにおいて、聴衆のまえでプライベートな質問に答えるなんて、人権侵害じゃなかろうかと常々思う。
それも英語でなんてとんでもない。
自慢じゃないが、高校では物理と数学に次いで苦手科目だったので、英語の授業中は、友達に手紙を回したり、
(当時は携帯はなかったのだ!ポケベルがせいぜいだった)
ノートの隅っこにパラパラマンガを書いたり、かっこいい○○くんについてあれこれ夢想していたくらいだ。
ようやく苦行から解放されたというのに、今さら教壇の前に立って英語で質問されるのは、悪夢のなかでだって嫌だ。
思えば、高校2年のときの英語教師は、閻魔様のような顔をしていたのだった・・・(女性だったが)
一方、まだ出国する前、飛行機に乗る以前の金属探知機は、さながら三途の川の手前にある「賽の河原」だろうか。
全身をスキャンされて、持ち物と罪(この場合は金属だが)が、洗いざらいベルトコンベアーに並べられていく。便利なことに、近代化がすすんだ現代においては、X線と金属探知機によって量刑が行われるようになった。
内ポケットにこっそり罪をかくしていても、金属探知機を欺くことはできない。
「ピーーーーー!」の音とともに鬼(係員)がギロリとこちらを向く。
自分には罪はないはずなのに、「ピー」とやられると、罪人の極印をおされる仕組み。
そのショックは相当だ。なにしろ列の後ろからの視線も痛い。
何度も白枠の金属探知機の下を行ったり来たりさせられて、そのたびに「ピーーーー!」
いったい全体、なにがいけないのかわからない。
ベルト。時計。小銭。ブーツの金具。
「ブーツ脱いで」と言われて、長時間はいていたブーツからしっとり湿った足を出し、刺激臭が拡散しないよう祈る。靴下に穴があいている人を見つけて、ほっとする。
そのショックは相当だ。なにしろ列の後ろからの視線も痛い。
何度も白枠の金属探知機の下を行ったり来たりさせられて、そのたびに「ピーーーー!」
いったい全体、なにがいけないのかわからない。
ベルト。時計。小銭。ブーツの金具。
「ブーツ脱いで」と言われて、長時間はいていたブーツからしっとり湿った足を出し、刺激臭が拡散しないよう祈る。靴下に穴があいている人を見つけて、ほっとする。
それを無事過ぎても、個人的に金属探知機をかけ直されることまである。
無作為に「こっち来い」と鬼に呼び出され、先端の丸いスキャナーで腕から足の先までスキャンされる。ボディーチェックだ。
その間、自分にはわからない言語で、鬼たち(係官だってば!)が冗談をとばしていたりする。これは恐怖心をあおるしかけだ・・・
さて。
場所はドイツのミュンヘン国際空港。
場所はドイツのミュンヘン国際空港。
外国出張が初めてで緊張している気の毒なイタリア人デニスくん(26歳)は、その日金属探知機のあとのボディーチェックにひっかかった。
緊張していたデニスくんは、うっかりと、できるはずの英語をポケットから出し、財布と一緒にベルトコンベアに載せてしまっていた。
次回に続きます。
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