イギリス、ドイツ、スペインとイタリアが共同開発している最新鋭の戦闘機「ユーロファイター・タイフーン」。
米国のF-35戦闘機とともに、日本航空自衛隊の次期FS-X(支援戦闘機)候補と目されていたが、最新の情報ではどうやら米国製の購入に落ち着いたようですね。
それは、もしかしたらこの事故のせいかもしれない・・・とアレックスは悲しんでいます。
2010年8月24日、スペインのモローン空軍基地で、サウジアラビア用に作られたユーロファイターが一機墜落した。
(戦闘機はすべて、カスタムメイド。国によってまったく装備が違う)
この戦闘機は、スペイン人パイロットと、顧客であるサウジアラビアの空軍中佐が乗って飛行訓練中で、離陸時の事故だった。
スペイン人パイロットの方は、エジェクトー緊急脱出機能 (つまり、椅子ごと飛んでパラシュートが開くやつですね)で辛くも脱出できたが、サウジの中佐のほうは脱出し損ね、なんと亡くなってしまった。
関係者以外には知られていないが、戦闘機で緊急脱出機能が働いた際には、2席が同時にエジェクトされるのではない。0.7秒ほどの時間差がある。
これは、脱出の際、2席が衝突しあったり絡まったりしないための方策なのだが、この数十分の1秒が、今回命取りになってしまった。
顧客が犠牲となったこの事件は、関係諸国に大きな打撃となった。
アレックスは直接この事件とは関係していないが、開発チームに属しているため、事件後の内部調査や経過を見守ってきた。
それで、どうやら事件の真相(らしきもの)に行き着いたという。
それは、なんと、セロハンテープ。
戦闘機には「エアデータ」のためのセンサーが外壁についているのだが、それは日々のメンテナンス/検査が済むと、
赤色のテープを貼り「検査済み」を示すらしい。
しかし、その日は、運悪くその赤色のテープを切らしていた。
検査官はベテランだったので、
(しゃあないな。倉庫に取りに行くの面倒だし、これでいいでしょ。)ということで、
その場にあったふつうの透明なセロハンテープで代用し、
そのへんの紙に「エアデータ検査済み」と書いて部品のうちの1個に貼付けておいた。
(ま、これでわかるはず。)
戦闘機が離陸準備に入ると、その赤いテープは剥がされる。
実際、そのテープには「飛行前に剥がすこと」と書かれているとか(笑)。
・・・ところが、透明なテープが災いして、別の検査官は
「テープは剥がしたあとだ」と勘違いしてしまった。
戦闘機は、そのまま離陸してしまう。
そのセンサーには、離陸時のエアスピードを計る機能があるのだが、テープで保護されていると当然、いつまでもスピードが上がったと認識されない。
揚力がはたらいて機体はほぼ空中にあるのに、データがないので羽根のフラップが動かない。
高度がわからない、スピードの計算ができない、制御システムがクラッシュを起こす・・・・
・・・・あっという間に航行不能に。
そして、墜落。
ひえええええ。
というわけで、
最新鋭の戦闘機を墜落させたのは、敵でもスパイでもなく、数枚のセロハンテープだったわけです。
落ちた時、テープ貼ったひと、
「やべ。俺かも」と、思ったでしょうね。
(ご注意:真相は、はっきりわかっていませんので悪しからず!)
****
当時のニュースのリンク
Saudi Eurofighter pilot killed in accident in Morón AFB, Spain
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米国のF-35戦闘機とともに、日本航空自衛隊の次期FS-X(支援戦闘機)候補と目されていたが、最新の情報ではどうやら米国製の購入に落ち着いたようですね。
それは、もしかしたらこの事故のせいかもしれない・・・とアレックスは悲しんでいます。
2010年8月24日、スペインのモローン空軍基地で、サウジアラビア用に作られたユーロファイターが一機墜落した。
(戦闘機はすべて、カスタムメイド。国によってまったく装備が違う)
画像 http://www.lebourget2007.finmeccanica.it より |
この戦闘機は、スペイン人パイロットと、顧客であるサウジアラビアの空軍中佐が乗って飛行訓練中で、離陸時の事故だった。
スペイン人パイロットの方は、エジェクトー緊急脱出機能 (つまり、椅子ごと飛んでパラシュートが開くやつですね)で辛くも脱出できたが、サウジの中佐のほうは脱出し損ね、なんと亡くなってしまった。
関係者以外には知られていないが、戦闘機で緊急脱出機能が働いた際には、2席が同時にエジェクトされるのではない。0.7秒ほどの時間差がある。
これは、脱出の際、2席が衝突しあったり絡まったりしないための方策なのだが、この数十分の1秒が、今回命取りになってしまった。
顧客が犠牲となったこの事件は、関係諸国に大きな打撃となった。
アレックスは直接この事件とは関係していないが、開発チームに属しているため、事件後の内部調査や経過を見守ってきた。
それで、どうやら事件の真相(らしきもの)に行き着いたという。
それは、なんと、セロハンテープ。
戦闘機には「エアデータ」のためのセンサーが外壁についているのだが、それは日々のメンテナンス/検査が済むと、
赤色のテープを貼り「検査済み」を示すらしい。
しかし、その日は、運悪くその赤色のテープを切らしていた。
検査官はベテランだったので、
(しゃあないな。倉庫に取りに行くの面倒だし、これでいいでしょ。)ということで、
その場にあったふつうの透明なセロハンテープで代用し、
そのへんの紙に「エアデータ検査済み」と書いて部品のうちの1個に貼付けておいた。
(ま、これでわかるはず。)
戦闘機が離陸準備に入ると、その赤いテープは剥がされる。
実際、そのテープには「飛行前に剥がすこと」と書かれているとか(笑)。
・・・ところが、透明なテープが災いして、別の検査官は
「テープは剥がしたあとだ」と勘違いしてしまった。
戦闘機は、そのまま離陸してしまう。
そのセンサーには、離陸時のエアスピードを計る機能があるのだが、テープで保護されていると当然、いつまでもスピードが上がったと認識されない。
揚力がはたらいて機体はほぼ空中にあるのに、データがないので羽根のフラップが動かない。
高度がわからない、スピードの計算ができない、制御システムがクラッシュを起こす・・・・
・・・・あっという間に航行不能に。
そして、墜落。
ひえええええ。
というわけで、
最新鋭の戦闘機を墜落させたのは、敵でもスパイでもなく、数枚のセロハンテープだったわけです。
(c) kuppa|写真素材 PIXTA |
落ちた時、テープ貼ったひと、
「やべ。俺かも」と、思ったでしょうね。
(ご注意:真相は、はっきりわかっていませんので悪しからず!)
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当時のニュースのリンク
Saudi Eurofighter pilot killed in accident in Morón AFB, Spain
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