世界的不景気のあおりを受けて、
うちの近所に住んでる4人家族のお父さんが、半失業状態になっている。いえね、仕事はあるんだけど。
その仕事が月に2週間、「強制的に」自宅待機なんだとか。
・・・って、つまり、給料半減ってことよ?えらいこっちゃ・・・!
そういうわけで、最近副業をはじめたのだそうだ。
副業といっても、平たく言えば「おつかい屋さん」。
ご近所のお年寄りの送迎(タクシー)やお買い物の手伝いで、お駄賃をもらう。
買い物なら、1時間6ユーロ、タクシーなら相場の5割。
大の大人がそんな安いバイトを・・・って思うけど、本人に言わせれば「空いた時間にできるし、人助けにもなるし、そのお金もないよりはましだしね」。
話は変わって、うちの12年もののポンコツ、アルファロメオ(車)のエンジンのかかりが悪い。
修理にだすと、まあ、安く見積もって1−2万円、悪きゃ5万コース。
とかなんとか言って、エンジンを見ていたら、近所のバール(コーヒー屋)のおっちゃんが、
「おう、なんだ?故障か?」と言って見に来た。
そのおっちゃん、すごく車に詳しくて、しまいには
「よっしゃ、おれがパーツ交換してやるわ、任せとけ」、となった。
かくして、うちのボロアルファは、スパークプラグをおっちゃんに交換してもらい
(おっちゃんがどこかからか、タダで調達してきた)
生き返ったみたいによく走るようになった。
そのおっちゃんには、お礼に20ユーロ(3000円弱)払って、はい、おしまい。
おっちゃんはその腕を買われて、近所中の車を修理している。
似たような話は、結構あって、
ローマに住んでいる友達の友達も、長期休暇で家を空けるたびにアパートを人に貸してお小遣いを稼いでいるし、趣味でアクセサリーをつくって、口コミだけをたよりに販売している人もいる。
歯科技工士が、入れ歯や詰め物をちょこちょこっと調整してお小遣いを稼ぐ話も聞く。
もちろん違法なのだが、イタリアは歯科が保険対象外で超高価なので*、こういう安価な微調整は、引退したお年寄りには感涙もののサービスなのだ。
(*修正*イタリアにも、国民皆保険で使える歯科医はあるそうです。が、ほんとうに最低限のことしかしてくれない/腕が悪いという噂なので、皆、全額負担で歯科医にかかる、というのが、正しいのだそうです!!)
で、これ、全部、イタリアの「裏経済」。
つまり、申告なし=税金はいっさいかからない。
そして、すべて見逃されている。
だから、実は、イタリアは表に出てる経済より裏経済の方が大きいとか、
こういう裏取引のおかげでイタリア国・イタリア人は持ちこたえている、
というのは事実なのかもしれない。
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