1/31/2011

戦闘機にセロテープ

ギリス、ドイツ、スペインとイタリアが共同開発している最新鋭の戦闘機「ユーロファイター・タイフーン」。

米国のF-35戦闘機とともに、日本航空自衛隊の次期FS-X(支援戦闘機)候補と目されていたが、最新の情報ではどうやら米国製の購入に落ち着いたようですね。

それは、もしかしたらこの事故のせいかもしれない・・・とアレックスは悲しんでいます。

2010年8月24日、スペインのモローン空軍基地で、サウジアラビア用に作られたユーロファイターが一機墜落した。
(戦闘機はすべて、カスタムメイド。国によってまったく装備が違う)
画像 http://www.lebourget2007.finmeccanica.it より


この戦闘機は、スペイン人パイロットと、顧客であるサウジアラビアの空軍中佐が乗って飛行訓練中で、離陸時の事故だった。

スペイン人パイロットの方は、エジェクトー緊急脱出機能 (つまり、椅子ごと飛んでパラシュートが開くやつですね)で辛くも脱出できたが、サウジの中佐のほうは脱出し損ね、なんと亡くなってしまった。

係者以外には知られていないが、戦闘機で緊急脱出機能が働いた際には、2席が同時にエジェクトされるのではない。0.7秒ほどの時間差がある。

これは、脱出の際、2席が衝突しあったり絡まったりしないための方策なのだが、この数十分の1秒が、今回命取りになってしまった。

顧客が犠牲となったこの事件は、関係諸国に大きな打撃となった。
アレックスは直接この事件とは関係していないが、開発チームに属しているため、事件後の内部調査や経過を見守ってきた。

それで、どうやら事件の真相(らしきもの)に行き着いたという。
それは、なんと、セロハンテープ。

闘機には「エアデータ」のためのセンサーが外壁についているのだが、それは日々のメンテナンス/検査が済むと、
赤色のテープを貼り「検査済み」を示すらしい。

しかし、その日は、運悪くその赤色のテープを切らしていた。

検査官はベテランだったので、
(しゃあないな。倉庫に取りに行くの面倒だし、これでいいでしょ。)ということで、
その場にあったふつうの透明なセロハンテープで代用し、

そのへんの紙に「エアデータ検査済み」と書いて部品のうちの1個に貼付けておいた。
(ま、これでわかるはず。)

戦闘機が離陸準備に入ると、その赤いテープは剥がされる。

実際、そのテープには「飛行前に剥がすこと」と書かれているとか(笑)。

・・・ところが、透明なテープが災いして、別の検査官は
「テープは剥がしたあとだ」と勘違いしてしまった。

戦闘機は、そのまま離陸してしまう。

そのセンサーには、離陸時のエアスピードを計る機能があるのだが、テープで保護されていると当然、いつまでもスピードが上がったと認識されない。

揚力がはたらいて機体はほぼ空中にあるのに、データがないので羽根のフラップが動かない。

高度がわからない、スピードの計算ができない、制御システムがクラッシュを起こす・・・・
・・・・あっという間に航行不能に。


そして、墜落。

ひえええええ。


というわけで、

最新鋭の戦闘機を墜落させたのは、敵でもスパイでもなく、数枚のセロハンテープだったわけです。
写真素材 PIXTA
(c) kuppa写真素材 PIXTA

  落ちた時、テープ貼ったひと、
「やべ。俺かも」と、思ったでしょうね。

(ご注意:真相は、はっきりわかっていませんので悪しからず!)

****
当時のニュースのリンク
Saudi Eurofighter pilot killed in accident in Morón AFB, Spain
****


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1/28/2011

Sushiはいかが?

「お寿司つくるから、アレックスとおいで」
ジェーンに夕飯に呼ばれた。

「・・・・寿司!?ジェーンが?」
あたしとアレックスは、無言でお互いの顔を見た。
二人とも、「断っても角のたたない言い訳はないか」と考えているのがわかった。

ジェーンのお料理の腕は・・・>>こんなかんじ>>

しかし、
いいわけを思いつくよりも、
興味と、和食への押さえきれない欲望がまさったため、
あたしたちはその招待を受けた。

写真素材 PIXTA
(c) blue horse写真素材 PIXTA
ころが当日の昼ごろ
「魚が全員あたしの顔を見てるんだよー。怖いー!頭が取れない〜!」

と電話があったせいで、招待客のあたしは、突如、主催者側にまわってしまった。
つまり、寿司をつくる側だ。

ェーンのうちに着くと、ジェーンは、寿司用だという小イワシ(体長5センチ)と格闘していた。 イワシでもって、どんな寿司をつくるつもりなのだろうか・・・

聞くとジェーンは
「フライにするんだよ!!」という。
イワシのフライ・・・の寿司?

わけがわからないあたしに、ジェーンは寿司のシャリを、冷蔵庫から出して見せた。
 「あら〜〜。冷えすぎてシャーベットみたくなっちゃったwww」

「すし酢はどうしたの!買いに行こうって言ったのに、作っちゃったの?」
「ワインビネガーがあったから、それにしましたwww」
しかも赤ワインビネガーなので、米粒がはにかんだようなピンクに染まっている。

はり、ジェーンを侮ってはならなかった。
ジェーンの買った寿司の材料は、以下。

お米。焼海苔。ねりワサビ。クリームチーズ。マヨネーズ。
白ごま。醤油。卵。ニンジン。キュウリ。アスパラガス。
小キュウリのピクルス。レタス。スモークサーモン。
かぼちゃの花小イワシ。エビ。きわめつけに、ウサギのレバーのパテ

ウサギのレバーのパテ、と聞いたところで、暗雲たちこめるココロに一条の光がさした。
(これは・・・・和風フレンチだ!)

ジェーンは、ふんふんと鼻歌を歌いながら、
折ったスパゲッティーでエビの背わたを取っている。爪楊枝がないのだ。

「ねえねえ、これってもしかして、パリで行ってた料理教室のレシピなの?」
「・・・・そうだよwww 前に1回つくったんだ。」

そうか。それなら、意外とまともな食べ物かもしれない。フランス人の味覚がジェーンに伝わっていることを切に願った。

して、できあがった寿司は、これだ。
小皿がないのでお茶碗に醤油をそそいだ・・・

エビの握り。スモークサーモンの握り(おにぎり?)。
アスパラ、キュウリ、ニンジン、卵焼き、ピクルスの巻き寿司。
シャリにはうっすらとフレンチクリームチーズが塗られている。

ウサギのレバーのパテはキュウリといっしょに海苔で巻かれ、それを寿司飯でさらに巻いて白ごまをまぶした。

白ワインととてもよく合う、革新的、創造的、目からウロコのフレンチ風寿司だった。とても、おいしかった。

お皿上部、裏巻き寿司がウサギのパテのお寿司(美味)

さきほどのイワシとかぼちゃの花、エビの残りは衣をつけて天ぷらにして、巻き寿司に入りきらなかった野菜といっしょに、手巻きになった。
こちらには、すし飯のかわりにレタスを巻いた。
マヨネーズも好みでつけて食べるので、海苔巻きサラダのようなものだ。

揚げたての天ぷらと海苔がマッチして衝撃のおいしさだった。
かぼちゃの花のフライはイタリア人の大好物だけに、これは恥も外聞もなく、取り合いだった。

「すし飯が嫌」という欧米人が多いなか、誰でも食べられる素晴らしい寿司風メニューだと、つくづく感心した。さすが、フレンチのレシピだ!
これは赤ワインでいただくのが正解、ということで赤ワインも開けた。

みんなも大絶賛。

「今度、またやろうよ、同じメニューで。」
評判のよさに気をよくしたジェーンが言ったとき、
「いいよ!」
あたしはつい言ってしまった。
(しまった。また手伝うはめになるかも)という予感は、ワインと一緒にごくりと飲み込んだ。

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1/25/2011

6つ目のボルト

お陀仏寸前のアレックスのアルファロメオ。(13歳)

エンジンオイルの交換とスパークプラグの取替え(*こちらの投稿)につづき、
ブレーキシリンダーを買い、バッテリーをつけかえてみたんだけど、やっぱり調子が悪い。
要は寿命なのだ。

写真素材 PIXTA
(c) sora8726写真素材 PIXTA


ドライなあたしと違って、車を愛するアレックスにとって、これは一大事。

自分でメンテはできないんだけど、ああだこうだと検討し、一方では
かつての愛車たちを別れた女のようにいつまでも懐かしむ。

ともかく週末の、霜が真っ白に降りたマイナス4℃の朝。

アレックスはダウンのコートにお尻まで埋もれ、
読書用のメガネをかけた上には、耳当てと毛糸の帽子、
ジーンズの下にはパジャマのズボンをはいた状態で、車のボンネットを開けていた。

家の前にいるのでなかったら通報されそうな、見事な不審者っぷり。

わずか15分ほどして、「寒い寒い。コーヒー作って!」と言って帰ってきたアレックス。
とりあえず開けただけで満足したらしい。どこが悪いかも、わからなかった。
「寿命なんだ」
(それはとっくにわかっていた)と声に出さない優しいあたし。

さて、その日のお昼前、買い出しにでかけるべく車に乗り込んだあたしたち。
かかりの悪いエンジンも、時々プスプスと白煙が立ち上るところも変化はない。

ふとした時、マニュアルギアのわきのコイン入れの中で、一本のボルトがゴロゴロ動いているのが目にとまった。
「あれ。こんなものがあるけど、どうしちゃったの?」

「ああ、それ、スパークプラグ・ボックスのフタのネジ。」

「(´△`) えっ?壊れちゃってたの?」

「ううん。ボルト取って開けたのはいいけど、また閉め直すのが大変すぎたんだもん」

「(; ̄Д ̄)なんじゃと?」

信号が青に変わって車は発進した。

「大丈夫、内蓋なんだから」

「うそでしょーーー!」 

「大丈夫だって、6本中5本は止めてあるから!」

「危ないから車止めてェェェ(≧◇≦)ーーー!!」

アレックスの(会社が)作った戦闘機が、去年墜落したのを思い出した。


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1/23/2011

ひこうき雲 2/2

前編からのつづき  >>前編>>

色の空に引かれた長い白い雲の先端に、キラリと光る機体が見えた。雲をぞくぞくとはきだしながら、2機はどんどん近づいて行った。

写真素材 PIXTA
(c) hina写真素材 PIXTA
窓際の乗客たちが、それに気づいて、小さなささやきが起こった。

さざめきが伝わって、右の窓に近い乗客たちは小さな窓に釘付けになった。

他の乗客たちも、何事かと首を伸ばして見ている。


あまりに遠く、あまりに上空にあるせいで、2つの飛行機はお互いすぐ近くを飛んでいるように見えた。

航空ショーのようにニアミス状態で交差するのかと、私たちははらはらしながら見守った。


と気がつくと、その2本の雲以外に、もう1本、まさに自分と同じ高度、すぐ右側の窓の外に飛行機雲があった。

いつからだろう、私は、飛行機雲と平行して空を飛んでいたのだ。

写真素材 PIXTA
(C)FooNar写真素材 PIXTA



ちょっとしたファンタジーの世界にいるようだった。

非現実のような空間に放り出されて、窓の外の雲をつかめそうな、その上に乗って飛び跳ねたりできそうな、そんな気さえした。

ンジンの轟音と青い空のむこうで、静かに一機が雲を引いて飛び去ったあと、何分かして、もう一機がそこの下を交差して通り過ぎた。

実際には数十秒だったのだろうが、息を止めている私には、何分にも感じられた。

空には十字が描かれていた。

乗客たちから、ため息がもれた。小さな拍手がおこった。
(航空機は、衝突を防ぐため飛行方向によって巡航高度が決まっている。)


写真素材 PIXTA
(c) 写真素材 PIXTA
西行きの一機は、私たちに近づいてくる。しかし、私たちからはもう見えなかった。


地上から見ると、その飛行機雲は、私たちの右側にある飛行機雲を通り越し、そのあと私たちの作り出した雲の上を通り過ぎていっただろう。


そして空には、三本の南北に走る飛行機雲と、そこを垂直に交差していった1本の飛行機雲が残された。

地上から見上げると、そう見えたはずだ。


たちの機体が高度をぐっと下げたとき、霞が切れて赤いレンガ屋根の街並が見えてきた。


公園のブランコに乗って、空を見上げている子供を見た気がした。
写真素材 PIXTA
(c) tantan写真素材 PIXTA

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1/21/2011

ひこうき雲 1/2


ギリスに住んでいたとき、飛行機雲を目にする機会が多かった。

それも1本2本ではなく、空に格子を描いたものや、放射状になったものまで、それこそ数時間も消えずに残っている飛行機雲を何度も見た。

始めは目新しくて、子供のように飽きずに空を見上げたものだ。

どうやらイギリス上空は飛行機雲のできやすい大気状態にあるらしい、ということだけは私にも想像がついた。

調べてみると、飛行機雲というのは、航空機のジェット排気中の水分が、外気(−40℃程度)によって急激に冷やされることでできる。

つまり雪の結晶が線状の雲のようになって見える現象だ。

もちろんミクロの氷塊が太陽熱で昇華すると消えてなくなるのだが、イギリス上空は、雲ひとつない青空が広がっているような日中でも気温が上がらない。

ゆえに、飛行機雲が消えずに残るというわけだ。

つて何度もヨーロッパ大陸とイギリスを往復して飛行機に乗っているうち、忘れられない光景をみた。
飛行機雲を引いた航空機同士が交差するところを目撃したのだ。

通常ならば、航行中の飛行機の窓ごしに、乗客が飛行中の他機に気づくことはあまりない。

上空を高速飛行中の航空機は、安全な距離
(水平方向50km以上、垂直方向1km程度)を保って航行しているせい、つまり、遠くを飛んでいるからだ。

しかしその時、右の窓側の座席からは、青い空に長々とした飛行機雲が見えていた。
その雲が、いままさに飛行しているジェット機のものだとわかったのは、
雲がだんだん長くなってくるから、だった。

の雲は2本あった。

雲を引いた2機のうち、 北上する私たちとは反対方向へ、つまり南下していて、もう1機は西へ向かっていた。おそらく隣のアイルランドだろう。

写真素材 PIXTA
(c) 小梅ちゃん写真素材 PIXTA
双方が私たちより上空を飛んでいた。

水色の空に引かれた長い白い雲の先端に、キラリと光る機体が見えた。雲をぞくぞくとはきだしながら、2機はどんどん近づいて行った。

次回の ひこうき雲 2/2 に続きます。


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1/19/2011

カフェ・ヴェルディ

お正月休みに、友人を訪ねがてら、ミラノへ買い物に行った。

友人たち2人とアレックスとあたし、予定から2時間遅れで4人がそろった。(イタリアではかなり普通。)

で、さっそく冬物のセールを見に繰り出したのだが・・・

ミラノの大聖堂

わずか数分後、
ミラノの歩道を占拠する殺気立った行列と、店内の半狂乱を見た瞬間に、
買い物の計画は一瞬にして過去のものとなった。

「どうする?」
「やめ」
「終了」
「完全に断念」
「やっぱり?」
「ま、べつにいいじゃない」


おもしろいことに「類は友を呼ぶ」という諺は、どこの言語にもあるようで、

イタリア語 Dio li fa e poi li accoppia.(神は創造し、それを対にする)
ドイツ語 Gleich und gleich gesellt sich gern.(等しいものと等しい物は共にいることを好む)
英語 Birds of a feather flock together.(同じ羽の色の鳥は一緒に集まる)
スペイン語 Dime con quien andas y te diré quien eres(誰と一緒にいるかで君がどんなか言い当てられる)

*以上、知ったかぶりのコピー&ペーストで失礼しましたw

つまりは実際、限りなく真実に近いのだ、とそのとき思い当たった。
わざわざ行ったミラノで買い物ができないのに、4人が4人とも後悔しないのだから、やっぱり似た者同士の友人たちなのだ、と。

早々に行列するのを諦めたあたしたちは、
喧噪と雨から逃れて大通りをはずれ、小径にあるカフェにお茶をしに・・つまり、
エスプレッソ・コーヒーを引っかけに入った。(量が少ないため10秒でおわる)

そこは、オペラで有名なラ・スカラ(スカラ座)の近くのカフェで、オペラ関係の古本やポスターでいっぱいだった。
見にくいですが、左の手前は「アイーダ」右手前はスカラ座、と書かれています

ソプラノ歌手マリア・カラスのポスターがあった。

オペラ「ラ・ボエーム」の ーパヴァロッティがロドルフォを演じた時のものだー ポスター。
この指揮者は誰だろう?この白鳥の湖のダンサーは?

テーブルわきの壁


もちろん詳しいことは知らない/わからないのだが、
古本屋が大好きなあたしは、カフェ兼古本屋の雰囲気にすっかりとろけてしまった。

そして、アンティークのテーブルの上に無造作に積み上げられた「リブレット」を見つけた。
オペラの歌詞だけをのせた、古びれてすりきれた冊子。
その薄い冊子は、開くとパリパリ音がした。


上の写真、左は、モーツァルトの「魔笛」、右はリヒャルド・シュトラウスの「サロメ」

音楽家は、オーケストラの楽譜を見ると、頭の中で幾つもの楽器を同時に再生することができる、という。
きっとこの冊子を見たなら、お気に入りの歌手の声で、歌を再生できるだろう。

本の紙面から歌が聞こえてきそうだ、と思ったのは生まれて初めてで、ドキドキした。

壁と棚にくっついて離れないハエのようになったあたしを、友人たちは温かい目で許してくれた。

エスプレッソ・コーヒーだけのはずが、あたしは結局、つやつやしたチョコレートのかかったザッハトルテを頼んでしまった。

あたし「モーツァルトといえば、オーストリア。オーストリアといえば、ザッハトルテでしょ」
友人たち「そういや、なんかうまそうだね」

・・・つられて全員お菓子を食べた。

画像 dessertprofessional.com より。お店のものとは異なります
ボリュームを落としたクラシック音楽がかかる店内で、あたしたち4人はセールのことなどすっかり忘れて
過去のとろりとした空間を楽しんだ。
雨は小降りになっていた。

(しかし、結局、そのあと多少買い物をして帰ったんですけどね。あははw)

【お店の情報】
Caffe' Verde di Rosso Maria
Via Giuseppe Verdi, 6
20121 Milano
02 863880
お店の名前「ヴェルディ」はイタリアの誇る作曲家ジュゼッペ・ヴェルディにちなんだ通りの名前なんですって。

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1/17/2011

ひとりでランチ

イタリアでランチを一人で食べるのには、意外と技がいる。

あたしはパソコンを持参して図書館で仕事をしたり勉強したりすることがよくあるので、
ランチにはいつも頭を痛めている。

最初のうちこそ、物珍しさも手伝って、図書館の近くにあるバール(カフェ)に入って
一皿500円也のパスタやリゾット、サラダやパニーノ(*パニーニ、というのは実は複数形。1個ならパニーノ。)を座ってゆっくり食べていたのだが・・・
写真素材 PIXTA
(c) crossborder写真素材 PIXTA


当然めずらしい顔なので、一度で顔を覚えられてしまい、
バールの人から世間話という名を借りたプライベートな質問をされはじめ、
すっかり辟易してしまった。
しかもそのうち、図書館の周りのすべてのバールを制覇してしまった。
(そして他の図書館も。)

さらに都合の悪いことに、パソコンをもってランチを食べに出て帰ってくると、図書館に席がないこともある。これには困ってしまった。

そこで、自分でサラダやサンドイッチを作ったり買ったりして、図書館のわきのベンチに座って食べることにした。
(おにぎりなんて食べてると、質問攻めにあうので、これはNG)

そしたら、これが大成功。

数分のランチなら、パソコンをデスクにおきっぱなしにして、隣の人に
「すぐ帰りますから、パソコン見てて下さいます?」と言えばいいし、
それに、もともと隣の人に興味を示すのはタブーな図書館という空間では、
一人でいても、うるさく話しかけてくる人は少ないのだ!


というわけで、これがある日のあたしのランチ・・・

この日はパン屋さんに寄って、ピザを買ってきた。
大きな四角いピザから一切れ、切り分けてくれる。(頼むと温めてくれる)。
そして紙に包んでくれる。
プラスティックのパックじゃないところが、新鮮だったりする。
ここのおばちゃんは、たまにおまけしてくれる。

ソーセージののったピザ。こんな大きな一切れで2ユーロ50セント(300円弱)也。

これに、図書館に売っているボトルのお水500ml、25セント(30円)と、自販機のコーヒーをつけて・・・

これであたしのランチはおしまいw あと、みかんかバナナかリンゴと、チョコレートがひとかけあったら完璧。

抽出中。


このコーヒーの自販機、画像には写っていませんが、
タンを押すと、上からコーヒー豆が入って、その場でガーーーーッと挽いて、1分ほどで抽出されて出てきます。
お砂糖は、自動にしとくと、勝手に入れられてしまうという(笑)。

さすがにバールのものほど美味しくないですが、結構いけますよ。

イタリアの会社に置いてあるのは、この手のコーヒーマシーン。カプチーノ、モカ、紅茶などもできるタイプ。

ベンチにすわってピザをもぐもぐやっていると、ルナという名前の犬(ホームレスのおねえさんが飼っている)がやってきて、目の前におすわり・・・

「チャオ。ごめん、食べ終わっちゃった。」
と話しかけると、シッポをふりふり。

話しかけられると面倒なくせに、1人のランチはやっぱりちょっと寂しいなあ。

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1/14/2011

お食事直後の方すみません

ええと、今日は汚い話です。すみません。

うちの猫、名前をモリーナっていうんですけど、猫草が大好きなんです。
胃の中の毛玉消化にいいのか知りませんが、草をガツガツむさぼり食うんです。
写真素材 PIXTA
(c) アオサン写真素材 PIXTA


ただ、猫って、物をもぐもぐ噛んで食べるんじゃなくて、ほぼ丸呑みするようでして、
草も長いのを食べたら、長いまま飲み込んじゃう。

そしたらですね、そのまま、出てくるわけですよ。
長〜いまま・・・・(恐)

「にゃーーーん」
ってこっちを見て、悲し〜い声で鳴くわけですよ。ほんと悲しそうに聞こえる。

うちのモリーナ


で、くるりと向きを変える。頭はむこう、こっちがおシリ側です。
で、しっぽをビシッ、と上げて、どこか(ごはん)へ誘導しようとするわけです、通常なら。

それが、ビシッと、しっぽをあげたまま、「待ってるんです」。

何を・・・・?



『出てきた草を、取ってもらうのを』。



どうも、トイレでアレが出た時にですね、
「しぼりきれない」わけですよ、草が細長いから。
《《o()o》》イヤァァァァ!!!

おシリから、こうね、草が、ぺろりーーーん、と・・*#@%^&
しかも、ですね、「まみれてる」んですよ、当然。


・・・それを

━━━━━━━∑(*━━━━━━━━!!!

・・・あたしにどうしろと・・?


しばし、猫のつぶらな瞳と、おシリから垂れ下がってる(!)草を見比べて、
絶句するわけです。

そののち、

ええ。
 
当然、トイレットペーパーでもって、
「ひっこぬく」。




正直・・・人生の悲哀を感じます。
・・・ふっ。
 

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1/12/2011

更衣室に堂々、潜入。

突然ですが、今日は、更衣室のお話。

コホン。

「更衣室」。


・・・なんて淫糜(いんび)な響きでしょ・・・!


一回覗いてみたい、異性の更衣室(でも覗いてはいけません)

あたしは、男性更衣室は覗いたことありませんが、女性のなら、世界数カ国、堂々と(!)入ったことがあります。

更衣室はまあ、どこの国も似たり寄ったりですが、だだっ広いロッカールームですね。
床はリノリウムかタイルで、一部が簀の子になってる。
 簀の子の上は、土足厳禁ですね。

イタリアだと、ロッカールーム自体が土足厳禁。ですから、
内履きをお持ちください。
ロッカーの鍵も自分でお持ちください。

男性=青女性=ピンク みたいに色分けしてないところが多いし
目立つところに「男性」「女性」と書いてなかったために、
あたしはイギリスで一度、うっかりして男性更衣室の真ん中にまで入り込んでしまいました・・・。
誰もいなかったので助かりました。

更衣室の中には、コインロッカーがポンポンと立っていたり、服を掛けるフックが壁についたりします。
で、壁やしきりの向こうにシャワールームがある感じ。

そこでですね、なるべく人を見ないで(これはさすがにエチケット)
自分はぺろんと脱いで着替えるという。
なぜだかすごく個室の設置率が低いんですよね、外国の更衣室。
カーテンがある更衣室の割合ですら低い。

そんななのに、みんな本当に気前良く、ぺろんと脱ぎます。
恥ずかしくないんでしょうか。

恥ずかしいので、タオルで隠したまま着替えするのは、あたしくらいです(水泳部だったから、そのへん器用なんですが)。 

シャワーなんて、時々天井近くからノズルが5本くらい下がってるだけだったりね(!)。
個室に入れてくれぇ、個室に!と叫んでも、悲しい木霊がタイルの壁に反響するだけです。

まあ、全体のイメージとしては、ほぼ、日本の温泉の脱衣場状態。
いや、それよりもっと、惜しげもなく、さらけ出してますね。

てことは・・・ですよ。 

ここまで引っぱりましたが。
はい、ご期待通り・・・
んもう、「見えます。」

ええ、チラリと見えるもんは、全部、見えます。 
うらやましいだろう、男性諸君!?

ただし。
写真素材 PIXTA
(c) nori写真素材 PIXTA


きっと男性更衣室でも
「見えるもんは、全部、見える」んですよ。どうです?うれしいですか? 

まあ、各国で女性更衣室を渡り歩いた経験上(なんか偉そうだなおい?)申し上げますが、
結局、
多少の違いはあっても、まあ、みんな、持ってるもんは同じです。
人間ですから。

見慣れてくると、背中の数=nとすると、チチの数=2nある。 
なんて、数式を思いついたりしてねwwww

先日はn=7でしたかね。「老若を問わず」。


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1/10/2011

シモネッタに会った

友達とアレックスの3人でピザ屋に行った。

ナポリ風もちもちピザが評判の店で、広大な店内は満席。

☆ピザ情報その1☆
北イタリアではカリカリピザが、南イタリアではもちもちピザが主流なのです。ご存知でした?



写真素材 PIXTA
(c) ヒロシ写真素材 PIXTA


☆ピザ情報その2☆
イタリアではピザはまるっと出てきて、自分で切って食べることになっています。
大きさを聞いてから頼んだほうが良さそうです。

どうにもこうにも切れないナイフでゴリゴリとピザを切っては口に運んでいると、
( ̄へ ̄; ムムム
・・・不意に強い視線を感じた。

☆ピザ情報その3☆
イタリアのピザ屋では、ぜんぜん切れないナイフばかり出してくる。なぜだ?どうしてだ?

☆ピザ情報その4☆
ピザには、ビール。(か、炭酸飲料。)ワインなんか気取って飲んでると、イタリア人に「ははーん、あいつガイジンだな」とすぐバレます。ピザには、ビール。

隣のテーブルの10人くらいの団体客のうちの数名が、くるりと振り返ってあたしたちのテーブルを凝視していた。

あたしたちのテーブルは壁際なので、あたしたちを見ていることは間違いない。でも、全然知らない人たち・・・。

と思ったら、そこにシモネッタがいた。



笑いを誘う名前ながら、細いけどグラマーな体に金髪が乗っている美人の独身おねえさまで、アレックスの元同僚だ。

その時も、胸元のあいた黒のセーターに、大きいけれど上品な金のネックレスをして、黒レザーのスカートに10cmヒールのブーツをはいていた。



写真素材 PIXTA
(c) しづき写真素材 PIXTA

「ピッコラ!」
「シモ!」
私と彼女は同時に立ち上がって、テーブルの間で抱き合った。

シモネッタは、アレックスと同じ会社にいて、昔イギリスに駐在していた。
若き日のアレックスは(他数名含め)何度も一緒に旅行に行っていたらしい。

頼れるおねえさんで、当時イタリア語のボキャブラリーが3個しかなかったあたしにも、とっても親切にしてくれた。
*ちなみにそれは、チャオとアリガトウと美味しい、だった。

で、すっかり仲良くなって、うちに呼んだりよばれたりしてごはんを食べた。

シモネッタは、ここ数年はローマにいる。
それが、あたしの町のピザ屋の隣の席にいた・・・という偶然。

どうやら、結婚はしてないけど、ローマで長年の彼氏と住んでるらしい。

「ローマ市内に住んでるの?」
「うん。スペイン広場の近くよ」
「うわ。 Σ(ノ°▽°)ノ めちゃくちゃすごいとこに住んでんね!じゃあ、絶対遊びにいくわ!!」
「来て来て!おいしい和食食べにいこうよ!」
「和食とか・・・!いいなあ、ローマは・・・!」
「ピッコラって、全然変わってないね。なんでトシとらないのかしら?ああでも、日本人てみんなそうよね!?」
「シモこそ〜変わってないよ!」
「あたし、今年で(小声で)44なのよぉ?」

その晩2度目に驚愕した。
シモの歳なんて聞いたこともなかったから知らなかったけど、44とは・・・!どう見ても、あたしのほんの数歳上にしか見えない。つまり34−5歳。

どうやったらあんな44歳になれるんだ・・・?

イタリア料理に秘密があるのか、エステか、エクササイズか?
次ローマに行ったら、こっそり聞いてみよう。

ブーツのかかとを鳴らしながら投げキスを投げて帰って行くシモネッタに手をふりつつ、ローマに遊びに行く理由を考えていた。


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1/02/2011

さよならは(決して)終わりではない

先日、ショッピングモールで買い物していたら、
 アレックスが
「よお!アレックスじゃないか!?」と声をかけられた。

なんと、小学校1年のときのクラスメートだった。
小学校時代から中学にかけて、よく遊んでいた仲間らしい。

まさに竹馬の友との再会。
二人とも、子供のようにこの偶然を喜んだ。
 
ところまでは、よかった。

写真素材 PIXTA
(c) tooru sasaki写真素材 PIXTA


 
25年分を埋めるような1時間の立ち話のあと、ようやく
「チャオ!」「またな」

「おう」「またあおうぜ」。



そして、
「じゃあな」「本当に会えてよかった」
「ご家族にもよろしく」
「そっちもな」
「今度はビールでも」
「他の奴らも一緒に」
「本当にそうだな」
「じゃあ、いくわ」。
 
と手を挙げかけ
 
「絶対連絡しろよ」
「メールするって」
「うん」「じゃあ」
「チャオ」「チャオ」。

挙げた手で握手を求め、
「奥さんもお会いできてよかったです」「はい、こちらこそ」
「じゃあ」「ごきげんよう」「チャオ」。

「あーーーーーー。そういえばメアド、別のやつも教えとくよ」
と名刺とペンを取り出す。
「・・・これでいいか」「いい」
「オッケー」「じゃぁな」
「チャオ」「チャオ」。

「おい・・・・」
と苦笑しながら
「ホントおまえ変わってねえんだもん、すぐわかったよ」

「そっちは変わりすぎだって」

「はは。毛がなくなったからな」
「ちげーよ。貫禄ついたっていうの」
「ハラもでてきたかんな」
「おまえ、やせてたからな。俺は昔からハラはでてた」
「お母さんが料理うまいから」
「いやお前んちのお母さんのケーキはすごかったよ」

すかさずあたしがアレックスの脇腹をつつく。
「まあいいや、行くわ」
「おう」
「じゃあ」
「チャオ」。
 
お互い一歩ずつさがって

「本当に連絡しろよ」
「するよ」
「それではまた〜。ごきげんよう〜」
「チャオ」
「そっちが出口か」
「おう、俺はこっちだ」
「こっちからも出られるぞ、一緒にいくか?」
「いいや、ほかにちょっと欲しいものもあってね」「そうか」
「じゃあ」「じゃあ」

・・・・と歩き出し、

「おい、アレックス!」「おう」。

肩越しに振り返る。

「来週末、どうだ?」
「うーん、たぶん空いてると思う」
「来週末にしようや」
「まだわからないな」
「再来週になると忙しいんだ」
「こっちもだけど」
「メールしてくれよ」
「するよ」
「今週末は忙しいんだろ」
「日曜はいいけど」
「ちょっと考えてくれ」
「わかった。メールするよ」
「おう」
「じゃあな」
「チャオ」
「チャオ」。

・・・・イタリア人は

チャオ、の後が

とてつもなく長い・・・・・。

(たまに車に乗り込んでからも、まだチャオを50回くらいやったりする)


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