なにしろエスプレッソ・コーヒーがなくては日も夜もあけないというイタリア人たち。
一日、二日はなんとかなったが、
三日目になるとイギリス支社内のコーヒーショップの「色のついた水」にお金を払うのはバカバカしいと、家で1日分のコーヒーをつくって水筒にいれて持ってくる人が続出した。
鍋奉行ならぬ、コーヒー奉行を拝命しているうちのアレックスは、なんとか面目を保とうと、先週は毎日会社に工具を持って行っていた。 壊れた部分に見当をつけて、そこを開け、イタリアの業者からパーツだけを送ってもらおうという節約策だった。
そんなことより仕事しなくていいの?と訊いてみたが 「上司命令なんだ」 と、
コーヒーがすべての仕事に優先するという理論がなりたっているようだった。
さてその1週間の試行錯誤は、機械に負けて終了した。
「マシーンをこじ開けようとしてたら、プラスドライバーのさきっぽがネジに食い込んで、そのまま折れちゃった」のだ。
どんな安物のドライバーを使っていたのか知らないが、結果として、どうやら新しい機械を買うために予算委員会を組織しなければいけなくなったようだった。
先週末は、インターネットで新しいエスプレッソマシーンを探すために膨大な時間が費やされた。 さらにあちこちに電話をかけまくって、値段交渉がすすめられた。
それが、今日、状況が一転した。
「ジャンニが、ペンチで力任せにネジを回したら、ネジがとれ、ドライバーの先っぽもネジから抜けた。」 のだ。そして、こわれた部分を発注するのにも、成功したのだ。
このめでたいニュースに会社のイタリアチームは沸いた。
イタリアがワールドカップで優勝した時以来のお祝いムードだった。
サッカーで点差が2点、ロスタイムに入った時のイタリア人の躁状態。
まだ、マシーンはなおっていないのに、見切り発車だ。
うちのアレックスが、お祝いにチーム全員にコーヒーをごちそうし、みんなで乾杯とあいなった。さらに、ナポリ出身のダビデが、とっておきのナポリのお菓子を皆にふるまった。
写真のお菓子、その名も「ババ」だ。(バッバ、と呼ぶのがナポリ風。)
これは、キノコ型のスポンジケーキをシロップとラム酒で漬けたもの。子供にはあげられないくらいアルコールが強い。
会社でみんなでババをつまみ、最後の2個を、コーヒーをごちそうしたということで、うちのアレックスがもらって、家に持って帰ってきた。
それを、まわりまわってあたしが頂いた。 もちろんエスプレッソと一緒に。
(写真は、家庭用エスプレッソコーヒーメーカー)
「ババ」といえばマルチェロ・マストロヤンニとジャック・レモンが共演した「maccheroni」に出てきます。映画の中では添えられた生クリームに焦点が当てられてて本来のババとは違う感じでしたが、まあ名前はこの映画のおかげで全世界に知られることになったのでしょうね。イタリアのオフィスではどのようなエスプレッソマシーンを使っているのでしょうか?カプセルを入れるようなやつなのかな?
返信削除しげやんさん
返信削除>maccheroni
口がクリームまみれになっちゃうやつでしたっけ?
ああやって、ババを縦半分にしてクリームをた〜っぷりはさむバージョンもあるんですw とってもおいしいですよ。
見つけたらお試しくださいw
エスプレッソマシーンは、上の投稿ではカプセル式の(わりと新しいタイプですね)は使ってません。イギリス支社のお話ですから。
イタリアのオフィスでは、コーヒー豆から挽く自販機を使っていると思います。
次の投稿にアップしますね。イタリア行きに間に合うかな?