12/30/2010

ご挨拶

今年このブログを通じてお世話になった、すべての方々へ

ありがとうございました。

今年のある日、突然思い立ってこのブログを始めましたが、
最初はブログテンプレートも扱えない初心者っぷり。

必死で勉強したものの、デザインはいまいち、
リンクは壊れ、訪問者が0の日だって続いて・・・とさんざんでした。

それでも、訪問者が1人増え、2人増え、コメントがつき、
メールを頂き・・・翻訳の仕事まで頂いたりしました。

皆様、本当にありがとうございました。


なるべく明るい内容にする、というモットーでブログをやっているので
今年みたいな辛い1年は、ブロガー泣かせ。

それでなくとも、友人や家族から離れて異国に住んでいると、
孤独が身を締め付ける日もあるんです。

でも、そんなときこそ、ブログを通しての(バーチャルな)関係だって、貴重で大切に思えてくるんです。

ですから、これは本心。

みなさんのおかげで、今年を乗り切ることができました。

ありがとうございました。

2011年が、皆様、皆様のご家族、親しい方々、すべてにとって
良い年となりますように。

そして、来年も、皆様とネットの海のどこか、
そして地球上のどこかでお目にかかれますように。
 

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12/28/2010

イタリア流おもてなし

住んでみると、驚くべきイタリアの習慣にでくわすことがよくある。
先日、マッシモ&シルビア夫妻家へ行った時のこと・・・

飲み物に、といって
キノ(オレンジのような果実のコーラ色の果汁)
コカコーラ
ダイエットコーラ
スプライト
ファンタオレンジ
キノ(キノット)
各2L入りボトルを出してきてくれた。

「おっ。キノだ!いいねえ。」と喜ぶアレックス。
他のボトルを開けるともったいないと思って、あたしも同じにした。

キノとは・・・

12/24/2010

恐怖のエスカルゴ

イタリア人10人に、エスカルゴの作り方を聞いて回りました。

以下どうぞ、参考になさってください・・・・(怖)

*************************

まずは、市場でカタツムリを購入します。
旬の季節は春です。

イタリア・フランスでは、カタツムリは貝類とみなされて、基本的には魚屋においてありますが、たまに肉屋でも見かけます。
生きのいいのが、大きさ別になって大、中、小 
ザルに山盛りぬめぬめ入っていますので、お好みの大きさを選びましょう。

生きが良すぎると、当然、逃げ出す恐れもありますので購入後は管理にご注意ください。
季節外れの場合は、冬眠中のものがパック詰めされてスーパーで売られていますので、それを購入しましょう。

ムール貝の隣にあるし!
冬眠中。






















また、山に出かけて、野生のカタツムリを捕まえるのも楽しいものです。
ぶどう畑に住んでいるカタツムリは、ほのかにブドウの香りがしますので、いっそうおいしく召し上がれます。

購入した・捕まえたカタツムリを、家に帰ってから、真水でよく洗います。

養殖管理されたもの以外は、10日間ほどレタスやブドウの葉などを与えて飼い、消化器官にたまった未消化物を一掃してから調理します。

調理前に殻から中身を出し、内蔵を取り除いてから加熱したものを、エスカルゴバター(ハーブとニンニクを練り込んだバター)で食べるのが一般的ですが、

ごくごく弱火にかけて、身が殻からでたところで強火にすると、きちんとカタツムリのカタチになったまま加熱調理され、内蔵を殻にのこしたまま食べることもできます。
写真素材 PIXTA
(c) らんこ写真素材 PIXTA

ちなみに「貝類」という認識なので、クリスマスイブの食事にも最適です(イタリアでは肉食をしない。「クリスマス」もご参考に) 。

フレッシュな白ワインで、どうぞ。

・・・・・うっ。(カタツムリ大嫌い)


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12/22/2010

んふ〜ん☆


おいしいフライドポテトが食べたい、と、
アイリッシュパブ(英国系)に行ってみたら、つぶれちゃってた。

で、友人おすすめのドイツ系のビアホールにいってまいりました。


そしたらビールが1Lジョッキで出てきた!(9ユーロ=990円也。)

写真のジョッキの大きさ、腕と比較してみてください。 
重い〜!


で、思い出した今年のできごと。

9月に、ドイツのミュンヘンで行われた世界最大のビール祭り「オクトーバーフェスト」に行ってきたんでした。

 オクトーバーフェストとは・・・?(ウィキペディア)


以下、回想シーン・・・

 オクトーバーフェスト正面ゲート

ここで販売されているビールは、基本的に1Lジョッキの大きさなんです。

これが「ビア・テント」1万人収容。
こういうのが6つ、プラス小さいのがたくさん。

この時期は、ミュンヘンにある会社は、社員のためにテーブルを予約してくれて、平日昼間っから宴会させてくれるんですって

やる気だぁ〜!


地元っこは民族衣装を着て参加します。
男性はバイエルン・ミュンヘンのサッカーユニフォームもアリ。

わりと堅いことで知られるドイツ人も、こういう時は見ず知らずの人たちと仲良く飲んだり踊ったりするんですね。
こんなオープンでフレンドリーな雰囲気、一度味わうとクセになりそうです。

テントの中。歌と踊りの熱気をビールで冷ますw

ビールがこれまた、すーんごくおいしいの。ちびちび飲むからきっと、1Lくらいいけちゃうよ☆
(上の写真は、500mlサイズです。)

ホットドック/ソーセージの屋台

上の写真は、炭火焼のソーセージの屋台です。

お兄さんうまそうに食べてますね。

ソーセージにはハーブが練り込んであって、ちっとも重くないんです。女性もきっと気に入ると思うな。

もちろん、この時期はダイエットは無理ですがwww

*****

さて。思い出話に飛んじゃいましたが。

日本はちょうど今、忘年会のシーズンですね。ここ数年間、忘年会なるものをやっていないので、かなり羨ましいです・・・

とはいえ、
念願かなって、ひとまず納得のいくフライドポテトをいただいたので、ワタクシ、
今日はご機嫌 かつ 感謝の気持ちでいっぱいです。

世界中のみんながおいしいものを食べて
幸せになれますように・・・



ああ。


あたしって、単純。


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12/21/2010

おあずけ!

フライドポテトが食べたいたべたいと思って、ブログにまで書いて

雰囲気がいよいよ盛り上がってきてたのに・・・

o(^o^o)(o^o^)o ワクワク



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(c) akkie写真素材 PIXTA


アイリッシュパブ潰れてた


(=△=) ガーン・・

暗いから一瞬、定休日かと思ったけど
(・_・)ん?

クリスマス前の書入れ時に休業する店もないじゃん。
( _ - _ ;) 逆さウーン・・・

車で2回通過して確かめてみたら・・・看板まで完全になくなってた。
( ̄Д ̄;) ガーン

あたしのおいしいポテトーーーーー!


・・・しょうがないので元気をだして、

街角で見かけた「おいしいもの(しかし、手の出ないもの)」の写真を。


ホワイトトリュフ。イタリアはトリュフで有名なのですよ。
買っても新米主婦の手にあまるので、買えない。
しかもバカ高い。




お菓子でできた、プレゼピオ(キリスト生誕の人形)。
すごい職人芸と、あま〜〜〜い香り。

全体を買うと、1000ユーロ=10万円だそうです。


・・・買えません!

てなわけで、おあずけをされてる犬のようなあたしでしたw
あたしのポテトーー!

12/20/2010

フライドポテトが食べたい

なんでだろう。
イタリア人はフライドポテトをおいしく作れない。

どこのどんなポテトを食べても、どうも、今ひとつなんだよねぇ。
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(c) jun写真素材 PIXTA

揚げてる油の種類がちがうのかなあ。

イタリアってけっこうヒマワリ油とかコーン油とか使うんだけど、
そういうのを単独で使うと、軽さが出ないというか、すぐ臭みがでちゃうというか、
うーん、細かいことはおいといて、つまり、おいしくないんだよねぇ。

あと、普段はフライドポテトなんかお家でつくるもんじゃないから
ご存知ないかもしれませんが、
揚げるジャガイモの種類にもよるんですよ、お味。
(あたしは生のジャガイモからよく作った。今は作れない状況泣き顔

とにかくどうも、イタリア人はおいしいフライドポテトってもんを
知らない気がする。
他のものは何でもおいしいのに!

その点、イギリスのフライドポテトは、おいしかったですよ。
アメリカでも一度も不満に感じたことはなかったんだけどなあ。
そういやフランスで食べた「フレンチフライ」は絶品だった・・・。
写真素材 PIXTA
(c) naka写真素材 PIXTA

あいかわらず長い前置きでしたが、
そんなわけで、あたしは、おいしいポテトが食べられる、ってだけの理由で
わざわざフランス通りにあるアイリッシュ・パブ(アイルランド風のビアホール)に行くのですw

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12/19/2010

バカドリルを地でいってます


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あたしのフランス帰りの友人ジェーンは、料理ができない。
(ジェーンって誰?「ほたるの里」

彼女が「できない」といったら、それは本当に、できない。 

彼女がヴィンチェンツォと結婚する前に、義理の両親のために作った
「オレンジケーキ」の逸話がすべて物語っている。

ウワサによるとそれは、オレンジのヘタだけむしって
「マルッと」生地にいれた、オレンジケーキだったそう。 
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(c) スムース写真素材 PIXTA

「あのケーキ・・・膨らまなかったのはどうしてかな?リンゴではできるのに」
 (爆発しなくてよかったね)

先週、彼女の家に遊びに行った時も、おいしいフランスの紅茶を入れてくれるというから喜んで頂いたんだけど・・・
ジェーンはまず、ティーバッグを出してきて、
左手に、「ティーバッグ」右手に「バッグについてる紙とヒモ」を持って、

・・・引っぱる。
写真素材 PIXTA
(c) ララ写真素材 PIXTA

と、当然

プチ。w( ̄▽ ̄;)w

糸がバッグに縫い付けられた部分から、ちぎれますね。
そいつを、小鍋に水を入れたところに、放り入れます。

1個、プチ。ポイ。
2個、プチ。ポイ。
3個、プチ。ポイ。

あたしら2人なのに、ティーバッグを3個?
・・・とにかく、
その小鍋を、そこから火にかけると、そのうち沸騰します。

ティーバッグは、ヒモが千切れたところから穴があいて、
そこから、紅茶の葉っぱが水の中に漂い出します。
┌(・。・)┘♪└(・。・)┐♪┌(・。・)┘

だから、火を止めて、まっくろくろに出た、濃い紅茶を濾さなきゃならない。
だけど茶こしが、ない。(やっぱり。)

そこで、エスプレッソメーカーの内部にある、漏斗状のこし器で代用する。。。
=( ̄□ ̄;)⇒

ガラスのコップ(熱っ)に入れてくれて、はい、出来上がりです。

ご家庭では、ゼッタイに真似しないでくださいw

「あ、ミルク。2週間前から切らしてるんだ、ごめんね☆
お砂糖は・・・あったあった、バールからパクってきたやつだけど。」


ぷぷぷぷwww


 バカドリルみたいに笑っていただけました?

彼女の結婚式のエピソード「ほたるの里」もぜひどうぞw

12/16/2010

クリスマス その3

ピッコラ: 皆様、おつきあいいただいてありがとうございます。イタリアのクリスマス、その3です。

アレックス:今日はクリスマスのあとのお話だから、「イタリアのクリスマス そのご(5)」なんじゃないの?

ピッコラ:いつから日本語でだじゃれが言えるようになったのーーー!
\("0")/ナンテコッタ!!

レンズ豆
アレックス:クリスマスが終わると、すぐお正月です。

ピッコラ:イタリアでは大晦日は、友達と夜明かししたり、レストランで夜中まで踊ったりするパーティーが盛んです。

アレックス:旅行の好きなお国柄ですから、この機を逃さず、南国へ旅行に行ったりもします。

ピッコラ:「クリスマスは家族と、大晦日は友人(恋人)と」という有名なフレーズもあるくらいなので、仕事にかこつけて「愛人」と旅行にいく方も少なからずいます。


アレックス:  お正月にちなんだ食べ物といえば、レンズ豆(レンティス・レンティッキエ)で、スープなどにして食べます。

ピッコラ:これを食べると翌年お金に困らない、といわれていますが、もちろん迷信です。

アレックス:あと、ザンポーネといって、豚の足を煮込んだものも食べますね。
これを食べると太る、といわれていますが、こちらは、迷信ではありません。

ザンポーネとレンズ豆
ピッコラ:でもうまいんだもん。

アレックス:大晦日は、街の広場でカウントダウンがあり、新年は花火大会で始まるところが多いです。

ピッコラ:ついでに、各家庭の庭からも花火が打ち上げられ、街の広場では暴動まがいの花火大会が行われます。

アレックス:熱狂に火がつく、とはまさにこのことです。


ピッコラ:大晦日の晩には、
壁にスプレーで落書きをしたり、
歴史保存地区の壁が火炎瓶で焼けこげたり、有名な彫刻の耳が引きちぎられたり
調子に乗って世界遺産の噴水で泳ぐ連中が続出します。

アレックス:毎年思いますが、身内のことながら、穴があったら入りたい気持ちになります。

ピッコラ:一夜明けた元旦の街の広場は、破壊されつくした歴史遺産や、粉々になったビール瓶、タバコの吸い殻で埋まります。テレビでは、被害総額いくら、というニュースが必ず流れます。

アレックス:しかしお祝いはまだまだ、続きます。
イタリアには最後に、1月6日の「エピファニア」という日があるからです。

ピッコラ:イタリアの学校の新学期が始まるのは、最後のお祝いの終わる1月6日以降です。



アレックス:さて、エピファニアの日には、ベファーナがやってきます。

スカーフをかぶった魔女のようなおばあさんで、箒に乗って飛んで来て家々の煙突から入り、よい子にはお菓子(や、おもちゃ)を、わるい子には炭を届けていく、という伝説があるのです。

ピッコラ:どうも、これは、コカコーラがサンタクロースを発明する以前の本来の伝統だったと思われます。

アレックス:子供たちはそれまでずっと、よい子にしていなければならないので大変です。

ピッコラ:わるい子だったばかりに、隣の子がほんとうに炭の形の砂糖菓子をもらった事実もあるので、洒落になりません。

アレックス:大人は、そのよい子たちのために、さらなる出費があるのでもっと大変です。
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(c) Meixue写真素材 PIXTA


ピッコラ:悲しいことに、年末年始になると、お財布の中を一条の風が吹き抜けていくあたりは、日本とイタリアの共通点といえます。

アレックス:お正月が終わると、春先のカーニバルまで、イタリアのお祭りは小休止です。

ピッコラ:はい。というわけで、皆さんに、ロマンチックな日本のクリスマスと、美味しいお正月が訪れますよう、はるかイタリアより指をくわえつつ、お祈りしています。

◆クリスマス①へ ◆クリスマス②へ 
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12/11/2010

クリスマス その2

ピッコラ:最近、続き物ばかり書いています。

アレックス:ネタ切れでしょうか。

ピッコラ:ぐっ・・・・。

アレックス:クリスマスが近づくと、大人は皆、買い物に追われます。老若男女を問わず、親しい人にはクリスマスプレゼントをあげることになっているからです。

ピッコラ:大人ならば、他人様(ひとさま)からもらうものに期待をしてはいけないのは、言うまでもありません。

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(c) かげはち写真素材 PIXTA

アレックス:そのプレゼントは、ツリーの下においておき、25日の朝に開けるきまりです。

ピッコラ:ですが、触って振ってみれば大抵想像がつくので、もらってから数日待ったところで、落胆を順延するほどの意味しかありません。


ちなみに、アレックスには、10数年間、クリスマスに必ず石鹸をくれた友人がいますが、それが原因で今では疎遠になっています。

アレックス:僕・・・もしかして臭い

ピッコラ:クリスマスイブとクリスマス当日は、基本的に、家族で食事をします。

アレックス:他人の家のクリスマスの食事に誘われたら、あなたはその家族と抜き差しならぬ関係だと思いましょう。

ピッコラ:イブの日の食事は、午後からはじまり、中に休憩をはさみ、夜中まで続きます。

拷問に近いですが、そんなことは口が裂けても言えません。

作る側の苦労がしのばれますが、今年も私がつくるので、苦境に陥るのは私です。

アレックス:イブの食事は、魚がメインです。 つつましく過ごす=豪勢に『肉を食べてはいけない』 という意味があります。

夜12時になると、シャンパン/スパークリングワインを開けて、お祝いをいい、クリスマスケーキを食べて、ようやくお開きです。


ピッコラ:寝る前には胃薬が欠かせません。 翌日のクリスマス当日は、肉料理が控えているからです。

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(c) わかば写真素材 PIXTA

アレックス:イタリアのクリスマスケーキは、最近日本でもよく見かけますが、「パネットーネ」とか「パンドーロ」とかよばれる、クリームのないケーキです。

リキュール漬けのドライフルーツが入っているのがパネットーネ、シンプルなスポンジに粉砂糖をふって食べるのがパンドーロです。どちらも長期保存が可能です。

ピッコラ:これを売って儲けているくせに、毎年おなじテレビCMを流している、こずるい会社もあります。

夏休みの「ジェシカおばさんの事件簿」にひけをとらない低予算です。





アレックス:この皮肉はイタリアにいる人しかわかりませんね。ごめんなさい。

ちなみに、CMはイタリア語ですが、たぶんおわかりいただけると思います。
「サンタさん、ここに落ちてね!(このケーキ)柔らかいから 」というオチです。


ピッコラ:12月になると、どこのお宅によばれても、コーヒーと共にパネットーネかパンドーロが振る舞われるので、クリスマスまでには食べ飽きてしまうことは内緒です。

そのうえ、余ると、お正月をすぎてもしつこく食べ続けなければならないので、
ケーキを箱ごとプレゼントされて喜んだ顔をしつつ、
実はちっともいらないと内心思っていることは、おくびにも出せません。
非常に不毛です。

まだ次回に続きます。

アレックス:・・・ちょっと長過ぎない?
ピッコラ:イタリアのこの時期の祝日自体が長過ぎるんだよ。

12/09/2010

クリスマス

ピッコラ:せめて、お正月だけは、日本で過ごしたいと切に願う、ホームシックのPICCOLAです、皆さんお元気ですか。

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(c) puddy写真素材 PIXTA

アレックス:イタリアのクリスマス、と聞くと、厳粛なイメージを持たれるかもしれませんが、最近では、そうでもありません。

ピッコラ:といっても、昔のことはわかりません。

アレックス:21世紀のイタリアは、資本主義/ 経済主体の風潮に流されて、
ミラノのドゥオモ(大聖堂)やバチカンのサンピエトロ大寺院でイメージされるような、荘厳な雰囲気のクリスマスは、望むべくもありません。

じっさい、現法王ベネディクト16世も「商業主義・物質主義がクリスマスの精神を汚している」と批判なさいました。(2006年12月)

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(c) チィ写真素材 PIXTA


ピッコラ:もちろんクリスマスにミサに行くご家庭はたくさんあるかと思いますが、それだったらお正月だけ神道を信仰する日本人と、そう変わらないわけです。

アレックス:そんな日に大聖堂に行っても混雑しているし、寒いだけです。

ピッコラ:そうそう。除夜の鐘を鳴らしに行列する勢いです。
・・・ちょっと待て、クリスチャンのくせにそんなでいいの?

アレックス: ぼくはほとんどエセ信者なんだ、ごめんよ。
近所の教会だったら、お祈りが通常の2割増になるのと引換えに、割増料金のご寄付を払うことになります。


ピッコラ:寄付だからべつに好きにすればいいんだけど、やっぱり気になるよね。
アレックス:扉の前の物乞いも、この時期はもらいがいいもんね。

ピッコラ:さて、イタリア人はクリスマスに何をするか。 やっぱり、サンタさんが街にやってきます。

アレックス:イタリアでは、サンタさんのことは、「バッボ・ナターレ」と呼ばれています。クリスマスの父、と言う意味です。

ピッコラ:バッボ、と聞くと私は、映画「ライフ・イズ・ビューティフル」の男の子か、 子連れ狼の大五郎が、うずまき状の巨大ぺろぺろキャンディーを持って、
「ちゃんっ!」
とよぶのを想像してしまいます。


アレックス:子連れ狼には、そんな事実はありません。

ピッコラ:よく知ってんね。

アレックス:イタリアでも子連れ狼やってたもん、昔。

ピッコラ:ナターレ、の方は、クリスマス、という意味です。

アレックス:そのクリスマスの父、バッボナターレが、クリスマスイブにプレゼントを持ってくるわけです。

ピッコラ:だから、この時期は、「いい子にしていないとだめなんだよ〜」と、親から正々堂々と脅迫されることになります。その辺は日本と同じです。


アレックス:敬虔なるカトリック教徒は、クリスマスの前には、家に「キリスト生誕」の人形を飾ります。

ピッコラ:写真がないので、段差のないお雛様の卓上版(ミニ)3500円 1980円、を想像してください。

アレックス:んもう。写真くらい用意しなよ。これです。


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(c) Romany写真素材 PIXTA

アレックス:厩(うまや)というか洞窟のような模型セットの中に、キリスト生誕に関わる人々、ヨセフとマリア、東方の三博士、エンジェル、ひつじの人形を飾ります。

ピッコラ:もちろん、わらを敷いた飼い葉桶に小さなイエスが置かれます。

アレックス:これを、自然の石や藁、木切れや手作り人形なんかをつかって、毎年10月から作成している人を、ぼくは知っています。

ピッコラ:毎年新しく作るそうですが、実に無駄に思われます。

アレックス:クリスマスツリーは、もとはドイツの風習ですが、最近はイタリアでも普及しています。

家全体を電飾しているところもよく見かけますが、アメリカやイギリスとは比較にならない質素さです。

ピッコラ:ちなみにクリスマスのイルミネーションは、私の意見では、日本が一番綺麗です。

アレックス:綺麗だよね、日本のクリスマス。

ピッコラ:続きます。


12/07/2010

彼女があたしにキスをした ④

前回までのお話はこちら 「彼女があたしにキスをした」    




次の週、彼女は学校に来なかった。
一度機を逃してしまうと、彼女のキスについて茶化して訊くどんな台詞も思いつかなかった。

それ以来、しばらく彼女とふたりっきりになったことはなかった。
ちょうどテストやらバイトやらがたて込んでお互い忙しくなったせいだったと思う。


だから、あの不思議な午後のことは時々思い出したが、あたしは彼女にキスの理由をたずねたことはない。
ただ、ブルガリのBLVをかぐと反射的に、彼女を思い出すくせだけがついた。 


その後、あたしは各地を転々としたが、わたしたちの友情は続いた。
彼女は今ではアンティーク商と結婚し、イギリスに永住している。

ところが、かれこれ10年も経った今になって、思わぬところで、彼女のキスの理由を知った。

ここイタリアで、ロシア人の女友達2人が親しげにキスをしているのを目撃したのがきっかけだ。

一気に思い出がよみがえった。
アナスタシア。

彼女の屋敷のドア、歩くときしむ階段の手すり。

彼女の部屋の重いカーテン、金ぶちの鏡のついた鏡台と、クリスタルのコットン入れ。

屋根裏部屋の動き出しそうな家具たち。庭の野うさぎ。 

パーティーの夜の喧噪。大きな古時計の振り子とベルの音。

そして、ブルガリの香り・・・・

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(c) taka写真素材 PIXTA
そして、あたしは知ったのだ。
彼女たちは、深い友情を示すために、同性友人のくちびるにキスをするということを。



今になってみれば、あの時あたしが一番最初に感じたのは、愛情というより友情だった。
その直感は実は正しかったわけだ。


それ以来、どこかでブルガリのBLVが香ると、 
あの日、キスとあたしを残してドアを閉めた彼女が、
屋敷の2階に駆け上がって大きな窓を開け、さらに投げキッスを3回投げてよこした姿を思い出している。



(おしまい)

「彼女があたしにキスをした」    

12/03/2010

彼女があたしにキスをした ③



前回までのお話はこちら 「彼女があたしにキスをした」   

下地クリームをぬっている細くて冷たい指先が、あたしのまぶたに触れる。

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化粧品の蓋を開け閉めする音を聞きわけながら、あたしは大理石の化粧台の冷たさと彼女の指と、どちらが冷たいか考えている。
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冷たい手だね」あたしが不平をいうと

「そんなこというと・・・!」

あたしのうなじに両手を押しつける彼女。

「きゃあ!」

つい目を開けると、彼女の瞳が思いのほか近くにあった。

「だめ、目をあけないで」くすくす笑う、ロシア語なまりの甘い英語。

チューインガムのイチゴのにおいのする息。


「きれいね」彼女はいう。

閉じたまぶたの裏側で、彼女は私の額にかかった髪を何度もすいている。

「黒髪って素敵だわ」

彼女のあたたかい息が耳の下にかかった、と思ったが、彼女は何も言わなかった。


「よし、できた。」仕上げに二人でブルガリの香水の霧の下をくぐった。


バスの時間だったので、あたしは玄関のドアを出た。
「じゃあね」

頬にあいさつのキスをしようとしたあたしより一瞬早く、彼女があたしにすっと身をよせた。

アナスタシアは、ちょっと背をかがめて、あたしを軽く抱きしめた。


あたしのくちびるの右端にくちづけて、「今日はありがとう、とても楽しかったわ」 と彼女はささやいた。

さっきあたしが彼女につけたリップグロスが、あたしのくちびるに残っていた。


思わず息をとめて一歩さがると、彼女の瞳は、曇り空を映してブルーの色を濃くしていた。

「また来週。学校でね」彼女はドアを急いで閉めた。

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彼女がうっかり間違って口に触れたのかと思うくらいの、甘くない、軽いキスだった。


そのくせ、キスするのが当然、といいたげな、何の迷いもない行為だった。

帰りのバスの2階席で、あたしはブルガリの香りとぐるぐる回る思考に埋もれた。


前回までのお話はこちら 「彼女があたしにキスをした」   

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