9/02/2011

テキサスとスプリンクラー

おもしろい記事を書くまとまった時間がなかなか取れないので、今日は近況をお届けします。

みなさんお元気でいらっしゃいますか?

イタリアからテキサスにやってきてから、早くも2週間が経ちました。 明日はようやくホテルを引き払って、お家(アパートですけど)に引越します。

この間、いろいろと小さなトラブルがあって、明日引越すお家には、テレビは届いていないわ、インターネットはつながっていないわ、 家具と言えばキッチンと洗濯機とベッドだけ・・・! という、惨憺たる有様ですが、まあ、とにかく(期日になったので 笑)引越すことになりました。

なんとかサバイバルで切り抜けようと思います。

元気だし、ちっともめげていないので、大丈夫です。


これに輪をかけて驚くことに、ついに妊娠8ヶ月目にはいろうかというワタクシ、アメリカの「保険」に加入できていません!

というのも、アレックスの会社がもたもたしているせい・・・。

あたし、7月からに病院かかっていないんですけど。。。赤ちゃん大丈夫なんでしょうか・・・!?

まあ、もぞもぞ元気に動いているので、無事なんだと思いますが。笑


日本じゃそろそろ、妊娠最終3ヶ月ということで、2週に一回の検診になるくらいの時期なんですけど、 じつに2ヶ月も病院にかかっていないあたし・・・。わははw


この調子では、きっと図太い子が生まれてくることでしょうwww

さてさて、 今年のテキサスは、史上2番目というくらい、暑い日々が続いているそうです。


気温100度(アメリカは、華氏で計算するんですよね・・・計算がめんどくさいったら! 104度=40℃です。)を越える日がすでに60日を越えているとか。

雨が降らなすぎるので、池は干上がり、電気の消費量は限界に達しようかという勢いだそうです。


とにかく、暑い!

テキサスでは、日中の最高気温をマークするのが、大体午後4時くらいなんだそうです。 会社を終えてアレックスが帰ってくるのが、大体5時半前くらいなので(出勤が早いから帰りも早い!)、その時間帯からあれこれ買い物に出かけると、 まあ、暑い盛りに外にいることになるわけです。


そんなに暑いので、お店やなんかは、冷房を寒いほどかけていまして、お腹が冷えるのでハラマキ(爆笑)がいるくらいなわけです。

そこから外に一歩出ますと、灼熱の40℃が待っている・・・!

日本なら、風がそよ〜と吹けば涼しいもんですが、これだけ気温が高いと、吹いてくる風も熱風。

ドライヤーの風を全身に浴びているような、熱々のオーブンを開けて、熱気を感じるような、そんな肌感覚です。


こんな毎日の、あたしの唯一の癒しの時間が、朝。

昼間より格段に涼しいですし、なんていっても、水の音が聞こえる♫

ホテルの部屋の窓の外にある芝生に、毎朝スプリンクラーで水まきがされているんですけど、その音なんです。

シャワシャワシャワ〜〜〜。

4〜5年前にテキサスに住んでいた時に、「雨」を題材にした絵を買ったことがあるんですが、スプリンクラーの音を聞いて、その時の心境をまざまざと思い出しました。


・・・というわけで。

ひとまず、元気でやっています、というご報告と、雨と保険を待っている、テキサスのピッコラでした。


お詫び;最近、頂いたコメントにお返事ができないていてすみません!

8/16/2011

共和国あらためステイト

更新ができぬまま、いよいよ引越しの日を迎えてしまいました。 すみません。

荷造りが追いつかなくて、引越し前日の今日もまだ、箱をつくっています(汗)。

みなさま、お盆休み、どうおすごしですか?

ご存知のかたもおいでになりますが、 明日8月17日から、「あおぞら共和国」をお引越しして、「あおぞらステイト テキサス」にして、アメリカはテキサス、ダラスの近くからお送りしようと思います。

ブログのアドレスはそのままですw

引越し直後はホテル住まいの身、ネットが通常通り開通するまで、少々時間がかかるかもしれませんので、そのあたりは温かい目でみてやってくださいまし。

おうちが見つかり次第、また落ち着いてブログが更新できると思います。
ま、以前にもちらりと住んでいたところなので、落ち着くのは早いと思います。

体調も万全だし、元気にお引越しできるはず。なんと猫も一緒につれてwww


それでは、いってきまぁ〜す!

8/11/2011

金魚の旅 フランス編

 これまでのきんぎょ騒動は・・・
でお送りしています。


フランスの食事はおいしい。安ホテルの朝食まで、おいしい。
Photo by Lesley Winograd
あたしたちの定宿、ペットも泊まれる某ホテル(*)の朝食のクレープは絶品だ。
オレンジの花の香りのする蜂蜜をとろりとかけて食べる。
オレンジジュースはその場でオレンジをまるごと絞って作る。

「ああ、コーヒーが美味しい」と思ったとき、あたしたちはイギリスの地にいないことを実感するのはご愛嬌。

テーブルを見渡すと、宿泊客の大半はイギリス人だ。皆、フランスに「ちょっと」旅行に来ている。南イングランドからはそのくらいの気軽な距離なのだ。


腹ごしらえをして、荷物をまとめると、すぐ出発だ。 朝8時半。
カーナビが出した、イタリアのアレックスの実家に到着する予定時刻は、午後7時。休憩やお昼を考えると、それより2時間ほど余計にかかる計算だ。13時間以上の旅になる。

アレックスが走り出す。CDはまだかけない。窓をあけて、ちょっと空気を入れる。

Photo by Lara Connolly
フランスの高速道路の制限速度は、お天気によって違う。晴れの日は130km、雨の日は110km。 周りはたいてい135kmほどで走行している。

あたしたちは、ノルマンディー地方を南下してパリ方面に向かう道をゆくが、もちろんパリ市内には入らない。

Photo by
Roger Coenders
一度、あたしが運転していたとき、カーナビに従ってインターチェンジに入ったはずが、まちがって高速を降りてしまい、降りたところがパリ市街地だったことがある。
photo by
khyacinthus

赤信号で止まると、何とか寺院や美術館まで徒歩数分、カフェやブラッセリーや、地図を手にした観光客の波のど真ん中にいた。

右折しようにも左に入ろうにも、両側から好き勝手に割込んでくる車の列に翻弄され身動きがとれない。 クラクションを前後左右から鳴らされて完全にパニックになった。



アレックスに運転を交代してもらって、ようようパリを抜け出したとき、後ろの窓から茶色のエッフェル塔が見えていた・・・。


風車。「お化けみたいでこわい」アレックス
photo by
Ian

フランスの高速道路はヨーロッパでも飛び抜けて優秀だ。

きちんと舗装され整備が行き届き、運転していて気持ちがいい。 幅の広い2車線道路は、はるか彼方までつづく小麦畑や、牧草地帯、風力発電の風車の間を縫って走る。

どこまでもただひたすらに走る。








この牛のミルクを絞るとカマンベールチーズがきっとできるだろう、と思わせる、まさにカマンベール色の(そしてうっすらと白い毛まで生えた)牛がのんびり歩く。

じつは雌牛にも角がある Photo by
peterk
パリの近くはもうワインの産地だ。シャンパーニュ地方、ブルゴーニュ地方という看板を横目で見ながら、時速130kmで車は走る。

CDをかけて一緒に口ずさむ。飽きるとラジオをつけてみる。もちろんフランス語だ、何を言っているやらわからない。でも歌は聴いていて心地よい。

ガソリンを入れるために、ガソリンスタンドに入る。料金はガソリンスタンド内のレジで払う。最初はドキドキするが、フランス語で数字と挨拶が言えれば問題ない。


時計を見ればそろそろお昼だ。あたしたちは、つぎの休憩地でお昼を食べることにして、車をもう少し走らせる。

(*)カレー Calaisのユーロトンネル近くでペット宿泊可なのはIBIS Hotelです。安いし綺麗だしおすすめw 

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7/31/2011

金魚の旅 海を渡る編 

 これまでのきんぎょ騒動は・・・
でお送りしています。

ドーバーの白い崖 Photo BBC news
イギリスとフランスの国境にあるドーバー海峡は、白い石灰石の絶壁が岸辺にそそり立つ厳めしい外見の土地である。ここの人たちは気が荒いというので国内でも有名で、それもそのはず、常に風が吹き荒れ天気も悪い、なんとも暗澹たる気分にさせられる地域なのだ。



ちなみに対岸のフランス領カレーも、白い絶壁がないだけで風と空の色 (と人)はドーバーと同じである(笑)。

あたしたちの出国審査が済んだのは7時10分過ぎ、おまけでチェックインさせてもらったようだ。

プラットフォームを走る photo sitelink

自動車は駅のプラットフォームを走ってその列車の内部に貨物として直接入り込む。

すると列車が対岸のフランスまで送り届けてくれる。

所要時間は35分、フランスとは1時間時差があるため、午後7時半に出発すると、到着するのは1時間35分後の午後8時5分、となる。

うちの車が列車に入り込むと、真後ろで列車の扉が閉まった。

列車の中では、自動車のエンジンを切り、束の間の休息をとる。あたしたちは、車外に出て、足を伸ばす。

金魚は水の中でおとなしくしていた。

金魚も車酔いをするという話だが、酔ったところであたしにわかるわけがない。

列車の中 Photo Sue&Paul's Web Page
これから金魚は海を渡ることになるのだが、そんな重大性は金魚どもにわかるはずもない。

「金魚なんかのために往復したの?」と驚く友人の顔がちらりとよぎった。


数分のち、列車が静かに発車した。アナウンスは英・仏2カ国語。

数キロ地上を走った後、列車はちょうど地下鉄が地下に潜るときのようにして、ドーバー海峡の海底に沈んで行く。

鼓膜がポン、と反応する。

Photo Hot News Aroud The World
列車には何もない。トイレしかない。

歩いたり、カフェで休憩したいなら、フェリーの方がずっといい。

しかし、あたしたちは今日は一刻も早くフランスに着きたいのだ。明日も長距離ドライブが待っている。

列車の小さな窓の外には、トンネル内側部にプレート状につけられたライトの断続的な光が閃く。
30分はすぐに過ぎ、列車がカレーに到着する。


前の車から順々に列車からプラットフォームに出てゆき、無人の入国審査ゲートを抜けると、車は右側通行に変わる。

標識でも「右側を通行」と書いてある。

緊張しそうになるが、逆方向の車線とは中央分離帯で仕切られているので、実はさほど実感はない。追越し車線が逆になる程度だ。

高速をおりて最初に右・左折するときに、左車線にうっかり入らなければ、大丈夫。前に車がいれば、ついていくだけなので心配することはない。

すぐに近場のホテルにチェックインする。このホテルはペットも泊まれるので、猫づれのとき以来定宿にしている。
カレー市 Photo hotels n hotels calais

チェックインがすむと、また車を出して、カレーの市街地にある小さなブラッセリー(これもすでにおなじみの店だ)に入る。


スライスして食べるサラミ photo stockfood
フルボトルの赤ワインと水とパンに続いて、10cmほどの長さのサラミとナイフがまな板に載って運ばれてくる。


サラミをスライスして皮を剥き、フランス産のワインを飲むと「ああ、ようやくフランスまで来たんだ」という実感がわくのも、毎回のことだ。

あたしたちは、イギリス本島を完全に後にして、大陸に入ったのだ。

ホテルのベッドに入ると、ワインも手伝ったのか、長時間のドライブで神経が逆立っていたにもかかわらず、夢もみない眠りが襲ってきた。




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7/28/2011

金魚の旅 雨編

 これまでのきんぎょ騒動は・・・
でお送りしています。


 イギリスは島国だからして、他国へいくということは、「海外」へ行くということだ。

だから交通手段は、飛行機が主。
電車で行くなら、ロンドンからユーロスター列車に乗ることになるし、
車で行きたい場合は、フェリーかユーロトンネル列車を選ぶことになる。

最後の耳慣れない「ユーロトンネル列車」というのは、貨物列車のことだ。サイトリンク
貨物として自動車を載せた列車が、ドーバー(正確には、フォークストンFolkestone)から地下海底トンネルをくぐって対岸のフランス(カレー Calais)に着くもの。
Photo  Bougour La France


ユーロトンネル列車 
 Photo This just happened Newspaper


ロンドン市内パディントンやビクトリア駅から、海底を通ってパリまで行く客車の「ユーロスター(site)」と混同しがちだが、そちらでは自動車は運んでくれない。ユーロスターでも金魚は手荷物として運べますが。

あたしたちは車で移動するときは、ユーロトンネル列車か、フェリーを使ってヨーロッパ大陸に上陸することにしていた。その日は、ユーロトンネルで(フェリーよりかなり高いんだけどね)。

ロンドン郊外の渋滞の酷いクイーン・エリザベス2世橋をようやく渡りきったところで、時刻は午後6時を示していた。

ここからドーバーまでの所要時間は50分。
予約をした7時半発のユーロトンネル列車の最終チェックインは7時だからギリギリだ。

猫を連れている時には、そこで「猫のパスポートコントロール」があるけれど、金魚に出国審査はない。
とはいえ、もちろん、人間には出国審査がある。できれば早めに着いていたい。

出・入国審査(ドライブスルー式)Airlines.net

ルートの最後、ドーバーまで一直線の道に入ってから、雨が降り出した。

空は一気に暗くなり、土砂降りかと思うような雨がフロントガラスに叩き付けた。

何のことはない、普通程度の雨なのだが、時速80マイル(=128km/h。制限速度は75マイル=120kmですよw)では、しとしと降りも大雨に感じられるだけのことだ。

ワイパーを最速にしても視界は悪い。さっきまでのよいお天気はどこへやら、ヘッドライトをつけても100m先すら見えない。

しかも、この道は路面を照らす街灯がまったくない。

ヘッドライトがセンターラインの反射板を点々と光らせるのが唯一の光源、あとは前をゆく車にぴったりくっついて、行き先を示してもらうしかない。

真っ暗な道に突然カーブが現れる。あたしはハンドルを握り直す。カーナビの画面がやけに明るく感じられる。

時間は、もう、列車に乗車できるかできないかの瀬戸際まで来ていた。
しかしこの雨と暗闇では、下手するとスリップしかねないので、慎重に運転する。

アレックスはまだ隣でうとうとしている。
たまに目を覚ますと、「何時?」と聞く。
でなければ、「スピードが早すぎる」だの、「運転が荒い」だの、「車線変更が多い」だの、気に障る文句ばかりいう。

一体ぜんたい、なぜ、どうして男は助手席に座るととかく女の運転にケチをつけたがるのだろう?
これは長きにわたり、解明されていない謎のひとつだ・・・。
そんなことを考えてあたしは不機嫌に沈黙する。
チェックインゲートphoto Site IGOUGO

フォークストンまで「あと30マイル」「20マイル」「10マイル」・・・

乗車の最終チェックイン時刻、7時にわずか4分前、6時56分に、あたしたちはユーロトンネル列車の駅に到着した。






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7/26/2011

金魚の旅 イギリス編

 これまでのきんぎょ騒動は・・・
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 前回のお話「金魚の旅立ち」

金魚兄弟6匹は、その夜、クーラーボックスの箱ごとホテルの部屋に連れてこられ、ビニール袋のあけぐちから新鮮な空気をもらって、一晩を過ごした。
(注:金魚の引越しの詳細にご興味のある方は、こちらへ)

イングリッシュブレックファースト 英国風 朝食 - 写真素材
(c) ロタ@ロンドン写真素材 PIXTA


雨上がりの秋の庭を眺めながら、ジャムトースト、スクランブルエッグ、焼トマトとソーセージというイギリス風の朝食をした。(アレックスはいつでもどこでも甘いパンとフルーツとコーヒー)
エスプレッソマシーンからコーヒーを4杯もらってそれを水筒に流し込んだ。道中飲みながら行くのだ。

手荷物を車に運び込み、金魚を後部座席足下の定位置に座らせた後、アレックスは車にエンジンをかけた。

北イングランドからロンドンまでの道は、天気もよく順調だった。
Photo www.123RF
青い空ではなかったが、薄日の射す天気だった。
雨ばかりのイギリス北部にしては上出来のほうだ。


イギリスの田舎には、どこまでも牧草地帯が広がる。高い山のないイングランドは、平坦な土地なのだ。

秋枯れの牧場にはまだ羊や牛が草を食んでいる。

高速のサービスエリアには、チェーン展開のファーストフード店とコーヒーショップ。どこの町にいると考えてもそう変わらなそうな、同じ顔ぶれの街並が車窓を通り過ぎていく。

photo www.thecourier.co.uk
ロンドンでは友人とランチをする約束があった。

ロンドンには11時に着き、あたしとアレックスはウエンブリー(サッカー)スタジアム近くのホテルの駐車場に車を入れ、金魚を車内に残して地下鉄に乗り、ロンドン市内についた。
サッカーの聖地ウェンブリースタジアム 写真 イギリス留学生日記 より 


平日のロンドンは、観光客の多い地域と、スーツ姿の人々が行き交うエリアがわかれている。

わかりやすいというので、いつもピカデリーサーカスで待ち合わせをするあたしたち。有名な観光スポットだ。
ロンドンのピカデリーサーカス - 写真素材

ピカデリーサーカス(c) 写真素材 PIXTA


ピカデリーサーカスの地下鉄駅の入り口には、何百人もが絶え間なく吸い込まれていき、そして同じくらいがはきだされてくる。観光客とおぼしき人々ばかりだ。

ロンドンでは、英語と同じくらい外国語が話されている。時期外れのせいか日本人は少ないが、どこかにいるとすぐ耳に入る。母国語の常だ。
イタリア人は四方八方にいて、誰もが大声で話している。そして誰もが何かに不満を持っている。

友人との2年ぶりの再会、ランチののち、あたしとアレックスはまた街を歩く。

雪だるま クリスマス 店舗  - 写真素材

(c) カツ写真素材 PIXTA
街は10月だというのにクリスマスの色の光がいっぱいだ。

8月が過ぎるともうクリスマス商戦にはいるのが、イギリスの特徴かもしれない。


4時になったところで、地下鉄に乗り、帰途につく。車内の金魚たちは、箱の暗闇の中でじっとあたしたちを待っていた。











これからが、旅のメインだ。車を走らせドーバー海峡までゆき、そこからカーフェリーに乗り、フランスまで辿り着くのが今日の目的。
明日は、フランスを縦断してアルプスをぬけ、イタリアに入って家に帰り着くという長丁場なのだ。

運転は、ここからドーバーまで、あたしがする。15分も走らないうちに、アレックスは助手席で眠っていた。
車は、ロンドン郊外エリザベス2世橋の手前で、5時の帰宅ラッシュに巻き込まれていた。
(つづく)
photo by science photo library


















これから数回は金魚情報というよりも、「イギリスーイタリア ドライブの旅」という感じになります。外の見られない気の毒な金魚の代わりに、片道1500kmの旅をする気分になってくださいね!


(金魚情報)自動車で移動していない間 (例えば夜間)に、金魚の水にエアーのぶくぶくを入れた方がいいかペットショップで相談しました。
回答「3日くらいなら、夜、袋をあけておくだけで大丈夫だ」そうです。袋は開けても、保温は忘れずに!
 夜は、兄弟金魚たちは6匹かたまって水のなかにじっとしていましたよ。


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7/20/2011

金魚の旅立ち 

 これまでのきんぎょ騒動は・・・
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2010年10月末。

あたしとアレックスは、イタリアーイギリス片道1500km、二日がかりの自動車の旅をして、かつて住んでいたイギリスの田舎町に辿り着いた。

友人エルメアくんに預かってもらっていた金魚を引き取るためだ。

もちろん金魚だけのためにそんな旅をするなんて、有給と時間がもったいないため、
ロンドンに立ち寄る、友人たちに会う、など他にもいくつかプランがある。

自動車での移動だけでほぼ4日を費やし、中休み1日を挟んで合計5日の旅だった。

金魚すくい[2546962] - イラスト素材
イメージ的にはこういうかんじでお引越し。(絵より水は少なめ空気は多め!)

(c) mama-pandaイラスト素材 PIXTA

金魚は、この1年で8匹が6匹になっていた。

金魚を飼っていなければご存知ないかもしれないけれど、これは、非常な好成績。
エルメアくんがどんなに親身になって世話をしてくれていたか、これでわかってしまう。金魚たちはエルメアくんに預かってもらえて、本当にラッキーだった。


はてさて、肝心の金魚のお引越し。水槽に入った魚を、どうやって無事に長距離運ぶのか。

参考にと、友人、お騒がせジェーンに聞いてみた。
というのは、かれこれ6年前にイギリスからイタリアに引越したジェーンも、金魚をつれて帰ったことがあるのだ。

聞けば、その時は「水槽に金魚が入ったまま、サランラップでフタをして」運んだらしい。

あたし「水・・・漏れたりしなかった?」
ジェーン「びしょびしょになったよ!?」
あたし「金魚、飛び出したりしなかった?」
ジェーン「飛び出はしなかったけど、着いたら2匹死んでた。ヴィンチェンツォには内緒ね♥」
金魚 緑色 ピグミーチェーンサジタリア [1643486] - 写真素材
ジェーンはこのまま運んだ・・・(c) pepaストックフォト PIXTA


当てにならない・・・。
ジェーンはやっぱりジェーンだった。
彼女は、スパゲッティでエビの背わたを取るような人なのだ。
エピソード「Sushiはいかが?」

この箱もいただいた♫
そういうわけで、
あたしはインターネットでのリサーチをおこない、イタリアのペットショップでも情報収集をしてきてあった。

必要な品物はそろっている。(詳細は後日!)


金魚たちは、あたしがイタリアのペットショップでウインクをひとつして、ちゃっかり無料で譲ってもらった魚用の専用ビニール袋に、水槽の水とともに入れられた。


そして、それがクーラーボックスの内部でズルズル動かないようにし、その箱が車の後部座席にしっかり据え付けられた。

あとは水槽とその他のものをキッチリ梱包すればOKだ。
さあ、金魚たち、出発だよ!


お別れに、あたしたちはたくさんのハグをエルメアくんとかわして、
金魚はついにイギリスの田舎町をあとにした。

「今度はスペインで会おう!金魚とはスカイプしようね!」

その日は遅くなったので、金魚共々ホテルへ戻り、翌日の朝に出発となった。
イギリスの10月の夜空は澄んでいた。もう秋というより冬の冷気があたしのブーツのつま先まで降りてきていた。



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7/18/2011

金魚を迎えに、ちょいとそこまで

 これまでのきんぎょ騒動は・・・
エピローグ、プロローグ Latest
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あたしとアレックスがイタリアに移って、かれこれ1年たった2010年秋。

金魚がイギリスからイタリアに引越してくる時がきた。

金魚の預かり主、エルメアくんに時々金魚の近況を聞きながら、いつのまにか1年も経っていた。

赤かった金魚が、白い砂のせいで、白くなった!
この1年、金魚がちょっと減り、

「・・・ごめんね、金魚、また1匹だめだったんだよ。ほら、弱いヤツがいたでしょう。本当にごめんね」
いいんだよ、エルメアくん。いつもありがとう。

またある日は、SKYPEで金魚を画面越しに見ることもあった。

「金魚たち、ボクの足音に反応して、寄ってくるんだよ。

夜さ、水槽の電気をつけて金魚を見ていると、すごく和むんだよね。
ありがとう、金魚貸してくれて」


このままエルメアくんにあげてしまおうかと思うほど、よくかわいがってもらっていた。


イタリアへ来てからの1年間、金魚を車で引き取りに行こうと2度計画を立てたのだけど、エルメアくんの都合がつかず、実現しなかった。

ところが、当のエルメアくん、イギリスを去って、スペインのマドリッドに帰ることになってしまった。

「ねえ、金魚、ほしかったら、あげるよ?」
「いいんだ、これはピッコラの金魚でしょ。よかったら、イタリアに連れて行ってやってよ。」

じゃあ、今度こそ本当に金魚を引き取りにいかなければ!

そんなわけで、あたしとアレックスは、金魚を引き取りに、自動車でイタリアを出発してイギリスまで往復3000kmの旅に出た。



View Larger Map

10月末、イタリアーフランス国境のアルプスの山には雪が舞いはじめる季節だった。

つづく>>

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7/15/2011

テレビ中毒 ②


さて、
イタリアのテレビ番組には、際立った特徴がある。

まず、大きな劇場に観客をいっぱいに入れて撮影された「シアター版」がことのほか多いことだ。
これは録画番組も多いが、生放送も多い。だから放送中に事故(音声ダウン、ゲストの遅刻、進行ミスなど)が発生したりする。なかなかにスリリングである。

しかし放送時間は、3時間だの4時間だのの日本でいうならスペシャル版に相当する長さで
あたしは最初から最後まで見た試しがない。(つまらなくなっちゃう)


そしてイタリアのテレビ、最大の特徴といえば、女性の肌の露出が多いこと。
これは特徴「だった」というのが正しい。

というのは昨年11月、アメリカの雑誌「Newsweek」にすっぱぬかれるまでは、 ほぼハダカのおねえちゃんがムチムチ踊っている番組ばかりだったのだ。

それも、番組の内容にまったく関係なく、昼間っからTバックの水着をつけた女性が出てきてスタジオでシャワーを浴びるなどという無節操ぶりだった。
Andreas Solaro / AFP-Getty Images

Italian Prime Minister Silvio Berlusconi 
with world champion Italian swimmer Federica Pellegrini.
photo : NEWSWEEK


そのとき、雑誌ニューズウィークは「イタリアの女性問題」と題した長文のなかで、首相ベルルスコーニ殿の女性問題と少女売春疑惑に絡めて、
放映中に女性の臀部に触れたりする番組がゴールデンタイムに堂々放送されていることに対する嘆き、
そして女性のセクシーさで視聴率を稼ぐイタリアのテレビ番組のモラルを問う内容を書いたのだった。Newsweek 2010年11月15日 Italy's woman problem  

この記事で名指しにあった番組が、それ以来、ビキニの女性を登場させるのをやめた。

かなり影響力のある番組(高視聴率)だったためか、以降目に見えて、イタリアの番組全体が変わった。
最近では、Tバックのおねえちゃんが出てくることは、ほとんどない。
男性諸君には残念だろうが、女性としては、嬉しい変化なのだ。


余談:日本のテレビの特徴は「とにかく食べている」である。お気づきでした?

さて、話は脱線するようだが、
妊娠報告をしてから、友人知人たちに必ず聞かれることがある。

「男の子と女の子、どっちかわかった?」「どっちがほしい?」

そして必ず友人たちは
あたしとアレックスを交互にじぃーーーーーーーーーーっと見て、
「どんなになって出てくるか、楽しみだねぇw」と口々にいう。

まだ性別はわからないので
「わからない」「どっちもかわいいよね」と無難に答えるのが常なのだが、
 先週末、ついに同じことをいい飽きたあたしは

「Grande fratello グランデ・フラテッロのアンドレア(↓)みたいだといいんだけどねぇ」 前回の投稿参照のこと(リンク)
photo by gossipitaliano.com 
と言ってみた。そしたら

・・・・女性陣の目の色が変わった。

「あんな息子だったらあたしも欲しい。」といわれてしまった。
そしてその後
その「アンドレア」がどんなに王子様のようで、イタリア男とちがって冷静で、教養と品を兼ね備えていたか、という話題ですっかり盛り上がってしまった。

そして、あたしも彼の言動には、わりと親近感を抱いていたため、「日本人代表」として擁護する立場になり、かなりいい思いをした。


ああ、あんなに嫌っていたグランデ・フラテッロ。
それをネタにして盛り上がってしまったあたしたち。

なんのこっちゃない、あたしまでテレビに毒されていたのだ。




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7/14/2011

テレビ中毒 ①

日頃苦々しく思っていることがある。

アレックスがテレビっ子だということだ。とはいえ「・・っ子」がつくような年齢はとっくに過ぎているのだが(美しくない)。

そのアレックスときたら、
あたしに言わせれば、「くっだらない」と一蹴してしまうようなヤラセ番組
・・・例えば *Grande fratello グランデ・フラテッロ=ビッグブラザーというリアリティ番組のイタリア版
を熱心に見るし、

ついていてもいなくてもいいような番組、たとえば F1 グランプリ

・・・最初と最後を見れば十分だとあたしは思う(ファンの方すみません)

をウトウトしながら延々流しっぱなしにしている。

休みの日には、さらにはテニス、バスケットボール、アメリカ製のドラマや映画まで、
テレビをつけて1日が始まり、寝るまでBGM代わりにつけている状態である。
F1グランプリ。あたしは見てると眠くなる。photo by www.GTTI.it





そして笑っちゃうのが、
・・・・見てないくせに消すと怒る;「見てんだよ!」「嘘だ寝てた」

ところが、それはイタリア人の典型だということがわかった。
イタリア人はテレビが大好きなのだ。

立派な大人になった人々の話題にも、とかくテレビのことが上る。
「ゆうべのあれ、見た?」
「見てない」というと、延々と説明されて「しまったなあ、見れば良かったね」と言うまで終わらないし、
「見た」というとどこが良かった、悪かったという議論に巻き込まれる。

そういえば、イギリスに住んでいる時も、かつてアメリカにいた時も、
アレックスをはじめ他のイタリア人の同僚たちはイタリアの放送が見たいというためだけに全員、国際衛星放送をつけていた。

そして、仕事の知識をこういう時だけは総動員して、
違法かつ無料に契約外のチャンネルを受信していた。うちもその恩恵に預かっていた。
(捕まるぞ?)

唯一の娯楽がテレビ、というご老人たちならいざ知らず、
国民すべてがテレビにかじりついているので、映像メディアが国民を洗脳するような状態。

付け加えて言えば、イタリア人は総じて読書を好まない。新聞、雑誌の売れ行きは悪くないものの、冊子になった活字を読むのをおっくうがるのだ。

だから映像メディアかインターネット以外にイタリア人が世界を知る手だては、あまりない。

日本人なら何らかの文字を読んでいそうな場面でも、イタリア人は
ぼんやりするか、音楽を聴くか、他人に喧嘩をふっかける以外には、
喋って時間をつぶすしかない。
それが、テレビの話、というわけ。

まったくこのテレビ画面にむける熱心さを、ほかのことに生かせばどんなによかろうかと、
エネルギーの無駄遣いに思いを馳せるあたしである・・・




*グランデ・フラテッロ (Grande fratello)サイトリンク
元はオランダの視聴者参加型リアリティー番組「ビッグ・ブラザー」で、現在11カ国で同じコンセプトのものが放映されている。
一つ屋根の下、24時間テレビカメラが回っている状態の家の中に、オーディションで選ばれた(?)若者男女20数名が同居する様子を放映するもの。
当然内部には、トラブル、喧嘩や恋愛が巻き起こる。

参加者と外部との直接的接触は一切ないという ”ふれこみ” で、全てがリアル、やらせなし ”と信じられている” が、そんなはずはない。
一躍イタリア一有名な日本人になった、アンドレア・コッコ
photo by tuttonotizia.comより
そして毎週視聴者が、参加者を投票でふるい落として行く。この辺もあやしい。

100日間(前後)、最後まで残った者に300万ユーロ(=3億3千万円超)が賞金として与えられる。

イタリアでは屈指の超・高視聴率番組で、かれこれ11年やっているが、人気は衰えない。

前回のこの番組では、日本人(ハーフイタリア人)男性、アンドレア・コッコ(モデル)が優勝し、「日本男性=エレガントな王子様」という強い印象を植え付けた。



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7/12/2011

夏期につき業務縮小中

テキサスの州旗[1450145] - 写真素材
(c) パームツリーストックフォト PIXTA

「今月中にはテキサスに出発です。がんばるぞ。」

大うそでした。遅延しました。(がっくり)


どういうことかと申しますと。

仕事でアメリカに住む場合、就労ビザが必要なんですけどね、
そのビザの発行が遅延したんです。

昨日ようやく「ビザ申請書セット」なるものが、アメリカから送られてきましたので、

(A4判で一人一冊、まるで本のような装丁になっていて、厚さは京極夏彦の文庫本くらいもある!)

あとはこれを持って、ミラノにあるアメリカ領事館へゆき、ビザを発行してもらう・・・というだけのことなんですが。

先週末、ミラノの領事館に連絡して、面接およびビザ発行手続きの予約を入れてみたところ
8月9日まで予約がとれないということでした。

ここで通常なら、領事館に顔がきく会社の上司(空軍関係のおヒト)がいるおかげで3日後くらいに申請の予約がとれるはずなのに、
その上司が、まさに昨日から夏の長期休暇(1ヶ月)に入ったため不在

 ははは!笑っちゃいますね、あたしたちビザ申請の書類5月始めに提出してたんですよ?

それが、「まだまだ時間があるんで、6月から作成にとりかかります」と言われ、
6月も半ばになってから
「業務内容の記載に不備があります」とクレームがつき(5月に書類チェックしとけよ!?)
会社がその業務内容に手を加えるのに2週間もかかり(だから5月に・・・)
ようやく申請書類ができあがってみたら・・・

8月9日までお待ちください。と。

そんなわけで、
せっかく箱詰めした日用品を、箱から取出して使うはめに陥りましたwww

しかも、
昨日届いた書類、明らかな記載ミスがいくつもあるのを発見。
これ、また新たにサインしてもらった「本」をアメリカから送ってもらわなきゃなんないんでしょうね。

なんだよアメリカ、大した仕事しないじゃないか。

サボテン アメリカ テキサス [880582] - 写真素材
(c) daiseye画像素材 PIXTA


一方のアレックスの会社にしてみれば、あたしたちの予定なんて・・・
 
ーーーうちの車、例のしょぼプントですけど、今日知人に売る約束なんですよね。明日から車がないんですよね。どうするんでしょうね。

バイバイ、しょぼプント。
ーーーあたしがいただいてた仕事、早々に切り上げさせてもらったんですけど、こんなことならあとしばらくは仕事できたんですよね。すっかり暇じゃないですか。

アメリカの新オフィスの予定だって

ーーー7月頭からデスクが置かれてパソコンも繋いであるらしいんですがね。予定を順延・また順延してるんで、いいかげん痺れきらしてると思うんですがね。


あたしの病院の予約なんて

ーーー妊婦検診、8月にはテキサスにいると思ってイタリアの病院は予約してないんですけどね。予約が混んでる(病院も8月は業務縮小するから♫)のはわかってるんで、検査できるかわからなくなりましたけどね。

一緒につれていく猫の健康診断なんて

ーーーかかりつけの獣医に診断書書いてもらわないと飛行機に乗れないんですが、獣医だって8月は「夏休み」なんですけどね。

うちの猫だってパスポートをもっている

 衛星放送とインターネットの契約なんて

ーーー当然7月末日までといって連絡してあるんですけどね。インターネットどうするんでしょうね。


まっ・・・会社にしてみれば、あたしたちの都合なんて

知ったこっちゃないんでしょうね。

ふっ。イタリアめ。最後までやってくれるじゃないか。

なぁんてね。なんのこれしき。どうせまた、こんなことになると思ってましたってw
ふふふ

追伸。
アレックスの会社には、外国駐在になるってんでアパート契約を解約した人が、遅延によって住むところがなくなったという笑えない伝説もある。

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7/11/2011

すいかとブログ

まずは、お詫びから。

ご無沙汰してしまってすみませんでした。

コメントをいただいていた方々にお返事も書かず、皆さんのところにコメントを残すこともせず、
ドロン、と消え失せたようになっていたことのお詫びをまず。
ごめんなさい。

実家のネット環境が非常に悪くて、さらになぜかコメントをあげられないという不具合まで発生し、インターネットから隔絶されたトワイライトゾーンに入り込んでいました。

何度も足を運んでくださった方、ご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした。


それから、私の体調をご心配してくださっていた方もおいでになると思います。

ご心配おかけしてすみません。そして、ありがとうございました。
私は元気です!
元気すぎて、体力が余っちゃってるくらいです。

最近は、お腹のなかのおかしな生き物が、動くようになりまして、
ぐりぐり触ったり、つついたりして遊んでいます。(注。おもちゃではありません)
これからもっと大きくなって重くなるんでしょうね。

スイカ[2068701] - 写真素材
(c) 田中允堂(makoto.TANAKA)写真素材 PIXTA



重いといえば、最近2キロ半くらいあるスイカを買ったんですけど、すごく重たくて。
赤ちゃんて、それよりさらに重くなるんですよね?
うわあ、どうしよう、あんなのがお腹にくっついたら!?
なんて、相変わらず、の私です。

皆さんのところには、また過去の投稿を全部!拝見しに伺いますから、少々おまちくださいませね。
お仏壇にお供えしたシロクマ(アイス)おいしゅうございました。  


そんなわけで日本では
九州物産展に行き、シロクマ(アイス)をたべ、道ゆくオーストラリア人の会話に足をとめ、
本屋さんでお花や山の写真集を立ち読みし、神戸土産の豚まんや京都のお抹茶を頂き、
イタリアサッカーのニュースをテレビで見、モダンアートを真剣に眺め、古いMDを棚に整理し、
谷崎潤一郎の「陰影礼賛」を手に入れ、東北のニュースにあらためて心を痛め、涙し、
中部国際空港で北海道土産の「白い恋人」をどっさり買って帰ってきました。

お会いできなかったですけど、なんだか皆さんのことをどこかで考えていた気がします。

さて、イタリア生活、いきなりカウントダウンがはじまりました。
出発日がなぜか決まっていないのが不安ですが、
今月中にはアメリカのテキサスに引越しです。

がんばるぞ!

5/26/2011

時差0時間

ただいま、時差0時間でブログ更新してます。

昨日、日本に帰ってきました。妹の家にお邪魔しています。

アメリカに引っ越しするまえに、日本でやっておかなければいけないことがいくつか発生しまして・・・
急きょ、3日前に飛行機をとって、一昨日朝に乗り、昨日帰ってきました。

ついでに、つわりも日本で治してしまおうかなぁと(笑)。

現金なもので(というか、体と心はやっぱり一体なのでしょうか)、昨日からなんと、ほぼすべての食べ物が口にできるようになりました。

日本マジック。

やっぱりあたし、ホームシックもあったんですね、きっと。
写真素材 PIXTA
(c) sono写真素材 PIXTA


昨日、いただいていたコメントにお返事を書きながら、
「ああ、今日はこの時間にみなさんご飯を食べていらっしゃるのかしら」とか
「同じテレビを見ているのかも」
なんて、みなさんと時差0時間の楽しみを味わっていました。


日本は、初夏ですね。

出発前のイタリアは、気温が30度になるような夏日が続いていましたので、今年は初夏を二度やる計算になります。

ヨーロッパから日本に降り立つといつも思うのが、この湿気。
「温帯湿潤気候」なんて昔学校で習いましたが、やっぱり日本は湿度が高いですね。


とくにイタリアは空気が乾燥しているので、(洗濯物があっという間に乾きます)実感もひとしお。
この日本のまったりとした湿気の中にいると、それだけで心が潤う気分になります。
写真素材 PIXTA
(c) ノリヲ写真素材 PIXTA


光の色、緑の種類、雲の形、空の高さ。
すべて、「記憶していたのと変わらない」と気がつくことには、ちょっと比類のない快感があります。

そうそう、このおうち、住宅地のど真ん中にもかかわらず、夕べはカエルの声が聞こえていました。
日本に帰ってきたんだなあ、と、今朝の時差ぼけの顔を窓の外に突き出して深呼吸したときに感じました。

予定では、1か月くらい滞在するつもりです。

気の毒なアレックス・・・・なんですが、どうせテキサスに3週間の出張が入っているので、それなりに忙しくしていることでしょう。

そんなわけで、しばらくの間、あたしとアレックスの時差は7時間、あおぞら共和国は日本に移動してお送りいたしますw 

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5/23/2011

光を授ける

先日からの体調不良から、なんとか復活してきました。(5月3日の投稿 復活しました〜
先週からは、だいぶ気分が良くなりました。


みなさんから思いもかけないほどたくさんのメッセージを頂き、本当に言葉に言い表せないくらい感激しました。ものすごく元気が出ました。
ありがとうございました。

先日ブログをお休みしている間、「どうしようかな?」と考えつづけていたのが、この投稿のこと。
「果たして、言うべきか、言わざるべきか」。

アレックスにちょいと相談すると「言わなくていいよ〜。そんなプライベートなこと。」とのことだったので、そういうもんかな。と最初は思ったのですが。

みなさんから励ましのメッセージをたくさん頂き、考えが変わりました。
あたしは、ブログ上でも、お友達ときちんと向き合ったおつきあいがしたいのです。
だから、お話することにしました。

それにね、今まで、創作ぬきの完全ノンフィクションでやってきたので
これからもやっぱりそれを続けよう、
と、猫の重みと温かさを感じるベッドのシーツの下で、決心したわけです。

そんなわけで、前置きが長くなりましたが、

「私、おなかに赤ちゃんができました。妊娠4ヶ月です。」

ですから、先日の体調不良は、つわりだったんです。
だいぶ良くなったとはいえ、今でも時々吐き気が襲ってきます・・・。
このつわりの辛さうんぬんは、(ぜひここでぶちまけたい気分にはなりますが)書くのは止しておいて、今日はこの一言だけ。


イタリア語で、赤ちゃんを産むことを「Dare alla luce ダーレ・アッラ・ルーチェ」というんです。

dare=動詞「与える」 la luce=名詞「光」
だから、直訳の意味では「光を与える」というんですね。

ちょっと素敵でしょ。
お腹の中の闇の中にいる赤ちゃんが、光のもとに生まれてくる
つまり、母親が赤ちゃんに光を授けるということ・・。

なんとも神秘的、ロマンチックではありませんかw

きっとこれ、旧約聖書(創世記)にもある

「初めに、神は天地を創造された。
地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた。
神は言われた。『光あれ。』こうして光があった。」

これとも通じる発想なんでしょうね。
なかなかやるな、イタリア人。

今年の12月に赤ちゃんが初めて見る光が、
アメリカのものなのか、日本なのかイタリアなのかはまだ決めていないのですが
(体調次第なので)、とにかく無事にこの数ヶ月を乗り切って、またみなさんに赤ちゃんと一緒にご報告ができますように。

そうそう、
ここのブログを「妊婦・出産日記」にはしませんので、どうぞまた、時々覗いてやってください。

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5/20/2011

アンジェリーナ

あたしが読んでいる「Gomorrah」というイタリアマフィアについての本、第2章のあらすじをお届けします。

第1章が気になる方はこちら・・・「春の午後」


ナポリの近郊には、縫製工場がひしめく地域がいくつもある。

洋服に限らず、靴、リネン用品、ソファー、財布やアクセサリーなど、縫製ならなんでもこなす小規模な工場が軒を連ねた地域だ。かつてこの地域では、イタリア最高の製品を生産していた、つまりは世界で最高の仕事をしていたという。

Photo : indierealm.com

そんな栄光の日々を謳歌したこの地域だが、そこには見渡す限りの布の海と、商品と縫製用ミシン、職工たち、そして雨風避けにすぎない薄汚れた建物群があるだけだ。

そこには、職人たちのトレーニングも家族への生活保証も病欠も、経営マニュアルも業務企画も、現金以外の取引もない。経営の素人でも長年のプロでも、明日の保証のないところ、ここはそんな場所だ。

発注された商品を「最短に最安値」で、もちろんそれにふさわしい縫製に作りあげた経営者が勝ちだ。一発あてれば明日がある、そうでなければ数ヶ月後には撤退を余儀なくされる。

昼夜兼行で稼働する工場と、12時間労働。
縫製職人にとっては酷い待遇だが、日々の糧を得るために僅かな賃金500ユーロ〜800ユーロ(6万円〜10万円)を求める者は絶えることがない。ここはそういうところなのだ。
Photo dal sito di "Comune di Napoli"

マフィアがからんでくるのは、「現金取引」の部分。
工場経営者は通常、商品と引き換えに代金を受け取る契約になっているため、製品製作中に発生する人件費、設備費、税金等を自分のポケットから出すことになる。
まとまった現金の作れない者は銀行か、マフィアの運営する闇金融に頼る。
なんとマフィア金融の利息レートが一番低い。ゆえに事実上マフィアの独占状態なのだ。


そこにパスクワレ、という名の男性がいる。何万人もの縫製職人の中でも抜きん出た、神業のような縫製の才能をもった人物だ。

布の裁断の向き。縫製した耳の部分の質感と糸の強さ。
この質の布を何度洗えば色が落ちるか。あるいは変質するか。
できあがった洋服の中に人間の肉体が入って筋肉がどう動くか、手のひらを内部に滑らせていると想像ができるという。
縫製の全てを知り尽くしたパスクワレの元には、個人的に注文が殺到する。文字通り世界中から名指しで。
Photo Cinemavistodame.com "Gomorra"

彼はコレクション用オートクチュール(一点もの)を縫う。
著名ファッションデザイナーのゴーストとして働く。
そして期待に違わぬ仕事をする。
だが、彼は工場主から依頼を受けるだけ、縫ったドレスやスーツがどのデザイナーにどう使われているのか、知る由もないのだ。

ある日、彼はたまたまテレビの画面を見るともなしに見ていた。
そこに映ったのは、アンジェリーナ・ジョリー。
image: mailonline (本文とは無関係ですw)

アンジェリーナは、彼が数週間前に作った白いスーツ
 ーー布を選び、裁断し、縫製し、アイロンをかけたもの、彼は未だに全パーツの寸法をいうことすらできたーー 
を着て、ハリウッドのレッド・カーペットの上に立っていた。


イタリア某デザイナーのデザインで、えも言われぬ美しいシルエットをもったスーツだ、彼女の魅力を引き立てている、と解説が入った。

パスクワレは、月800ユーロ(10万円)の賃金の範囲でそのスーツを縫った。
彼は静かに画面を見つめ続けていた。


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5/18/2011

嫁姑戦争 〜嫁

前回「嫁姑戦争 〜姑」からの続き

一方、こっちはあたしに近い世代のお嫁さんたちの話。


嫁1「うちのお義母さん、子供をこうしろああしろ、これはダメ、あれならいいってとにかく口うるさくて!それも、迷信ばっかり。現代ではそんなことしないんです!って言うのにね」
嫁2「うちはね、『どうせあたしの言うことなんて当てになりませんからね』っていうのがふたこと目なの。ちょっと被害妄想なんじゃないかしら」
(あたし:テキトウに聞き流して、ハイハイ、って言っときゃいいのに)

嫁3「うちのババア(!)、毎日うちの彼に電話かけてくんの。それも、彼の携帯に何回も!今どこ?何してる?今日は何食べた?だって。

なんか恋人みたいでキモくない〜?でね、彼もひどくて
うちのママが、週末くらいは前菜、主菜、デザートを家で作って食べさせろって言ってたよ』って。信じられない。」
(あたし:それはお姑さんとご主人ばかりか「ババア」呼ばわりするあなた自身にも、問題があるのでは・・・)

写真素材 PIXTA
(c) 鮎太朗パパ写真素材 PIXTA

嫁4「自分たちは、自分の義理の親とほとんど絶縁しちゃってるくせに、あたしたちには要求が高すぎるのよね」

嫁5「そう。自分のできなかったことを、他人に強要するのってどうかと思う」

嫁6「近所で陰口叩いてたりしてさ、あたしが行くと近所中のオバちゃんから白い目で見られるのよね。気にしてないんだけど、それでも嫌よね」
(あたし:どこの国も、同じなんだ・・・・)

ところで、あたしと我が家の姑の関係は、そう悪くない。
強がりでも自慢でもなく、そうなのだ。というのも、当初から、
義理の両親とあたしは外国人同士なので、最初からお互いに「わかりあえない」という認識が確立していた。それが逆によかったようなのだ。

時々、「うむむ・・」ということがあっても、
相互に「ま、ね。見ないふり聞こえなかったふり。気にしないことにしよう」
というゆとりが生まれたようだ。(正直たまに衝突しそうにもなるが)
だから、1年半前に義父が亡くなって、「嫁姑間の緩衝剤」がなくなってしまってからも、予想以上にうまくいっている。
(ちなみに義父が義理の娘をかわいがる傾向があるというのも、万国共通のようだ。)

あと、あたしが運がよかった点は、嫁姑の間に立つアレックスが自分の立ち位置を理解していて、母と嫁、どちらの肩ももたないこと。その場では臨機応変に対応して聞き流すものの、どちらの小言も相手側には一切言わない。
だから私は「アレックスは一応あたし側だ」と考え、義母は「私の息子は私の味方」だと思っている。
http://www.chrishorner.net/2010/08/16/70-years-ago-this-week-the-battle-of-britain/
これが嫁姑戦争の狼煙(のろし)を対岸に遠ざける、英仏海峡の役割を果たしているのではないかと思っている。


しかし、あたしとはまあまあうまくやっているうちの義母と、アレックスの弟の奥さんとの関係は決して良いとは言えない。
はっきり言って、お互い敵視しあっている。
写真素材 PIXTA
(c) kiyo写真素材 PIXTA

義母が最初から結婚に反対していたせいもあるのだが、とにかく嫁に対する採点が辛く、何をやっても満足しない。
嫁の言うこと、ちょっとした正当なお願い(濡れたベランダで子供をだっこしないで、甘いものは控えて、など)にも耳を傾けない。孫の機嫌をとるために、逆のことをやる。
「ママはいつも怒って怖いわねぇ〜」と孫を洗脳しようとしている。

義妹のほうも対抗して、あらゆる言い訳でもって義母の家には近寄らない。子供を連れてくるのも息子だけだ。
そのくせ義母に利用価値のあるときは(例えばベビーシッターがいるとき)連絡してくる。
いらないプレゼントは突き返す(!)くせに、お小遣いを子供にせびらせる。

普段から義母のことをよく言っていないせいで、
子供たちも幼児のころから義母を煙たがる始末なのだ。


そんなわけで、傍目にみて、関係が今後改善するとは思えないのだが、家族となってしまったからには今後も縁を切ることはできないのだ・・・ああ恐ろしや、結婚生活。

ディンドン、ディンドン♪のウエディングベルの後に、こんな罠があったとは。

はてさて、解決のめどの立たない嫁姑問題と、その間に立つ気の毒な夫。
そんなの自分のうちだけかと思いきや、
実は世界のあらゆるところで、嫁と姑、女同士の戦いは今日も勃発しているのだ・・・



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